日本共産党の赤嶺政賢議員は12月1日の衆院安全保障委員会で、10月11日に沖縄県東村高江で発生した米海兵隊ヘリCH53の炎上事故について、日本側が捜査や検証を十分にできず事故原因の究明も行われていない下で、米国の言いなりで同型機の飛行再開を追認した政府の姿勢を批判し、政府に対し着陸帯の使用禁止を米側に要請するよう求めました。
赤嶺氏は、小野寺五典防衛相が“事故原因と安全が確認されるまで運用停止が必要”と述べていたことを指摘。安全確認のため現地に派遣した自衛官が事故機の搭乗員・整備士からの説明聴取や、フライト・レコーダー、整備記録の確認などを行ったかとただしました。防衛省の深山延暁地方協力局長は「直接は見ていない」と答弁し、米側の言い分をうのみにした判断だったことが明らかになりました。
赤嶺氏は、高江での騒音発生状況を示し、高江の集落周辺に建設された六つの着陸帯のうち最初の二つが米軍に提供された2015年2月以降、騒音発生回数が激増していること(グラフ)を指摘。「沖縄の負担軽減」を口実に「住民の声を無視して着陸帯の建設を強行した政府の責任は極めて重大だ」と批判しました。
赤嶺氏は、高江区に続き、沖縄県議会がすべての着陸帯の使用禁止を求める決議・意見書を自民党を含めた全会一致で可決したことを示し、「政府はこの声に応えるべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2017年12月2日)
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議事録
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
きょうは、東村高江で発生した米軍ヘリ炎上事故について質問をいたします。
十月十一日、沖縄県東村高江の牧草地で、米軍普天間基地所属の大型ヘリCH53Eが炎上、大破する事故を起こしました。
事故の報道を受け、私も直ちに現場に向かいましたが、しかし、既に警察、米軍によって規制線が張られ、事故現場に立ち入ることはできませんでした。二〇〇四年の沖縄国際大学のヘリ墜落のときと何も変わらない、地位協定の壁を強く感じました。
総選挙が終わり、先日改めて高江を訪問してきました。事故から一カ月近くたっていましたが、現場はまだブルーシートが敷かれ、油のにおいが漂っていました。米軍車両が牧草を踏み荒らした跡も残っていました。
牧場主の西銘さんにお話を伺いましたが、事故が起きたのは、西銘さんが三十年をかけて自身の豚舎から出るふん尿を利用してつくってきた豊かな牧草地でした。ヤギや闘牛を育てる農家からも評判の牧草地でした。西銘さんは、事故のために一年は収穫できないのではないかとおっしゃっていました。
沖縄防衛局は、当初、牧草地全体の土を入れかえることを提案したそうですが、全部入れかえたらまた三十年かかると、入れかえる土を最小限にする方向で話し合いを進めておられました。
一つの事故が与える被害の大きさを実感したわけですが、防衛大臣は今回の炎上事故が与えた被害についてどのような認識を持っておりますか。
○小野寺国務大臣 この米軍機CH53Eの事故については、大変沖縄の皆様に御心配をおかけしております。特に、御指摘の牧草地につきまして、その所有者、西銘さんが、その御家族とともに長い年月をかけて育ててこられたと承知をしております。そのような牧草地に被害が生じたことは遺憾に思っております。
防衛省としては、現在、西銘さんの御意見を伺いながら、被害の実態調査を行っており、その結果を踏まえ、日米間で協議の上、適切に補償をし、また、これからもしっかりその御意見を賜っていきたいと思っております。
○赤嶺委員 三十年かけてつくった牧草地の土づくり、適切な補償なんてあり得ないんですよ、これは。これだけの被害を与えているわけです。もとどおりにするには、あと三十年かかるような努力をしていかなきゃいけない。
事故現場は、福地ダムの流域の境目までわずか四百メートルのところでした。沖縄本島の北部は県民の水がめとなっている場所です。本島全域の上水道の約八割が北部のダムから送水されています。そのうち、福地ダムからの送水が約六割を占めています。
ダム周辺で事故が起こっていれば、福地ダムからの送水が停止し、沖縄本島全体の水の供給に重大な影響が出た可能性もありました。防衛大臣はその点についてどのような認識を持っていますか。
○深山政府参考人 福地ダムについてお尋ねがございましたので、現状を御報告したいと思います。
防衛省は、沖縄県と協力をいたしまして、十月十三日から、事故現場及びその周辺の環境調査、これは土壌、水質、放射能調査でございますけれども、実施しているところでございます。
福地ダムにつきましては、十月十三日及び二十六日に沖縄県と協力して水質及び放射能調査を実施いたしました。
十月十三日に実施した水質調査の結果については、環境基準値を超える値はなく、異常はない旨の結果を得まして、十月十七日に沖縄県と共同で公表を行ったところでございます。
また、十月二十六日に実施した同ダムの水質及び放射能検査の結果については、現在成分分析を行っているところでありますが、結果が判明次第、速やかに地元の方々や関係自治体等の皆様に丁寧に御説明してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○赤嶺委員 私は大臣に聞きたかったんですよ。福地ダムに影響があったかどうかというのではなくて、福地ダムの取水地域からわずかしか離れていない場所にヘリが墜落したわけですよ。これが、一歩間違えて取水地域に墜落したら県民の命の水がめを失うことになるんですよ、そういう性格の事故だったんですよということを申し上げているわけです。
何か、福地ダムを検査したけれども影響はなかったといって、今まで福地ダムに対して米軍の演習がどんな被害を与えてきたかという歴史も振り返ってみたらいいですよ。だから、県民の命の水がめ、その水がめの上でヘリやオスプレイが訓練をしている、そこに対する、県民が、一歩誤れば大変なことになるという危機感を持ってあの事故を見ているわけです。
そこで、小野寺防衛大臣は、事故直後の十月十三日、事故原因と安全が確認されるまでの間、運用が停止されることが必要だ、このように述べられました。ところが、米軍は、その四日後、事故原因も再発防止策も明らかにしないまま同型機の飛行を再開いたしました。ニコルソン四軍調整官は、私自身が安全でないと感じる航空機の運用を許可することはないと述べました。ニコルソンが安全だと言っているんだから安全に間違いないだろうという態度であります。本当にとんでもない発言ですよ。このとき、防衛大臣は遺憾を表明いたしました。ところが、その後の十月二十六日、事故原因が明らかになっていないにもかかわらず、飛行再開を追認いたしました。
なぜこのような判断に至ったのか、事故原因が確認されるまで運用が停止されるべきという当初の説明と違うのではありませんか。
○小野寺国務大臣 十月十一日に事故を起こした米海兵隊CH53Eのヘリ飛行再開に当たっては、十分な安全性の確認が重要であるとの認識のもと、専門的知識を有する自衛官を現地に派遣し、事故現場の状況を確認するとともに、米側に聞き取りを行うなどして、CH53Eの安全性に関する米側の判断の根拠等について確認をしました。
具体的には、米側の初期調査において、飛行中のエンジン火災がCH53Eの機体の構造上のふぐあいに起因するものであったと判断する材料はなかったこと、日本にあるCH53E全機について、エンジン火災に関係するエンジン本体、燃料系統等について徹底的な安全点検が行われたこと、全搭乗員、整備員に対するマニュアル類の再教育、安全に関するブリーフィング等が実施され、内部規則で定める技能基準が満たされていることが確認をされたなどを確認いたしました。
防衛省としては、これらの確認事項について、同種の事故調査を行う場合の知見に照らせば、米軍がCH53Eの飛行を再開するまでに飛行の安全を確認するための一定の合理的な措置がとられたと判断をいたしました。
防衛省として、例えば、自衛隊においても、本年十月十八日に百里基地においてF4の主脚部分にふぐあいが生じ火災が発生するという事故が起こったところ、保有するF4全機を対象として主脚部分の検査を実施し、異常がないことを確認した上、順次飛行を再開しております。F4事故については、現在も自衛隊において詳細な調査を行っております。
これに照らして、今回、米軍のCH53Eのヘリの問題についても合理的な対応を行っていると思いますので、自衛隊機についても同じような対応で飛行再開をしているということであります。
ただ、いずれにしても、このような事故があってはならないということでありますので、私もマティス国防長官に対して、また、安倍総理からトランプ大統領に対して、米海兵隊のCH53Eヘリコプターの事故を含め、米軍の事故、事件に関する地元の懸念について真摯に対応することが重要である旨述べております。
これからも、自衛隊も含め、安全面に最大配慮するよう対応していきたいと思っております。
○赤嶺委員 今大臣がるる述べたのは、安全に関することなんですね。最初の大臣の発言は、事故原因が解明され、安全が確認されるまでは飛行停止だ、遺憾だと述べていたわけですよ。事故原因は何の解明もされていない。追認したら安全面だけをるる強調する。
その安全面ですが、派遣した自衛官は現場で事故機を見ているわけですが、事故機の搭乗員や整備要員に直接話を聞いたんですか。
○深山政府参考人 現地に赴いた自衛官ほかの防衛省から派遣した者たちは、米側から話を聞いております。ただ、米側から聞いた場合には米側でその担当をしている者から話を聞いたところでございまして、直接搭乗員から話を聞き取っているということではございません。
○赤嶺委員 搭乗員や整備要員から直接話は聞いていないということですね。
フライトレコーダーやボイスレコーダー、整備記録などのデータは直接確認したんですか。
○深山政府参考人 今御答弁申しましたように、米側の事故担当者から我々は現地で説明を聞き取ることはいたしましたが、フライトレコーダーなどの資料については、我々は直接は見ておりません。
○赤嶺委員 全く、一番大事な一次資料に触れることもできない。結局、アメリカ側の説明をそのまま繰り返していると言われても仕方がない状態だと思いますよ。こういうことがずっと繰り返されておりますので、今回に限ったことではありませんので、到底納得できるものではありません。
そこで、今回の事故は、沖縄の負担軽減の名のもとに、高江の集落を取り囲むように六つの着陸帯が建設され、集落上空の飛行訓練が激化する中で起きたものでした。
資料を配付させていただきました。沖縄防衛局の騒音測定結果から高江の騒音発生状況をまとめたものであります。
六つの着陸帯のうちの二つが米軍に提供された二〇一五年二月以降、騒音発生回数が急増しています。昼間の発生回数は、二〇一二年度が四百六十五回だったのが、二〇一六年度は五千二百二十三回に急増いたしております。夜間も百二回から千六百六十四回になっています。
着陸帯があの一帯に建設をされ、米軍機の飛行が激しくなる中で今回起きた事故だったということは防衛大臣もお認めになりますか。
○深山政府参考人 委員から御提示いただきました資料の背景となるデータにつきましては、当方から御提出申し上げた資料だと承知しておりますけれども、御指摘のように、この地区における騒音の発生回数がふえておるということは事実だと認識をいたしております。
我々といたしましては、地元の方がこうしたことに対して大きな懸念を持っていらっしゃることは十分承知をしております。数々の要請も受けているところでございます。我々といたしましては、これらの御懸念に最大限配慮し、地元への影響が最小限にとどまるように、米側とも緊密に調整していく所存でございます。これまでもそうした申し入れはしているところでございます。
このような考えから、米軍のパイロットが住宅密集地や学校の位置を上空から把握できるように、これまで東村に航空標識灯を四カ所設置しておりますが、地元の皆様の御要望を踏まえまして、さらなる増設を今検討しているところでございます。
また、北部訓練場の周辺における航空機騒音につきましては、継続的な把握に努めておりまして、今後とも継続的に調査を行い、さらなる影響の軽減に向けて、米側に対し、住宅地上空の飛行を回避する飛行ルートを提案するなどの措置を続けてまいりたいと考えておるところでございます。
○赤嶺委員 大臣、この事故は、たまたま起きた事故じゃないんです。あの一帯に着陸帯の建設が強行されて、騒音発生回数もどんどんどんどんふえてきた。まだ使っているのは六カ所の着陸帯のうちの二カ所だけで、これから残りの四カ所も使っていく、今に墜落事故が起こるんじゃないか、起こるんじゃないかと心配していたことが現実になったというのが地元の実感なんですね。
つまり、防衛省が向こうに着陸帯を建設して、そして、その結果訓練が激しくなり、こういう事故が起こった、そういう認識、お持ちじゃないですか、大臣は。
○小野寺国務大臣 今回の高江地区の騒音を含めて、東村高江区の騒音状況あるいは今飛行の安全の問題についても御指摘がございました。
私どもとしては、航空機の運用に当たり、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるように米側にも申し入れておりますし、住宅や学校上空の飛行を回避するための航空標識灯の増設を進めるなど、しっかり対応していきたいと思っております。
なお、今回、このヘリパッドその他の移駐については、その目的が、北部訓練場の過半、約四千ヘクタールの返還に伴うヘリパッドの移設ということであります。確かに、かなりの訓練場が日本に返還をされたということはありますが、ただ、その背景として、やはり高江区の皆様にこのような御迷惑をかけることもございますので、私どもとしては、その影響の最小限の軽減に努めてまいりたいと思っております。
○赤嶺委員 今の答弁とは裏腹に、訓練場をふやして、もしかしたらと思っていたら墜落事故が現実のものになった。墜落事故が起こったから、今度はこの事故を教訓にして、訓練も少しは少なくなるのか、あるいは騒音も緩和されるのか、あるいは見直されるのかと思ったら、事故前と全く変わらない訓練場の使い方。いわば事故が起きても何も変わらない現実に、高江の人たちは怒りを持っているわけです。できるだけ影響を最小限にしようと努めているとここで述べたってだめですよ、現実は何も変わっていないんですから。
私は、ことし二月の予算委員会でも、N4地区の着陸帯から四百メートルのところに住む住民の方が撮影した自宅の真上を飛ぶオスプレイの写真や、東村に連日送った悲痛なメールも紹介して、着陸帯の速やかな撤去を求めました。深山局長も覚えていらっしゃるのかどうか、あのメール、読み上げました。ところが、政府は具体的な対策をとらないで、事故は現実のものになったわけです。住民の声を無視して着陸帯の建設を強行した政府の責任は極めて重大です。
高江区は、事故が起こった後、十月十二日の緊急代議員会で、完成したヘリパッドの全面的な使用禁止を求めることを決めました。さらに、沖縄県議会も、民間地上空、水源地上空での米軍機の飛行訓練を中止し、東村高江周辺の六カ所のヘリパッドの使用禁止を求める決議、意見書を全会一致で可決しました。政府はこの声に応えるべきだと思いますが、いかがですか。六カ所のヘリパッドの使用禁止、これについて政府はどう受けとめていますか。
○小野寺国務大臣 繰り返しますが、北部訓練場の過半、約四千ヘクタールの返還は、二十年越しで実現をいたしました。これは、沖縄県内の米軍施設・区域の二割、本土復帰後最大の返還であることから、沖縄の基地負担軽減に資するものと考えております。
ただ、その上で、この返還に伴うヘリパッドの移設により、高江区を中心に影響を受ける地元の皆様への配慮は大切だと思っております。
防衛省としては、米軍機の飛行に際しては安全の確保が大前提と認識しており、引き続き、米側に対し、安全管理の徹底に万全を期すとともに、地元の皆様に与える影響を最小限にとどめるよう求めてまいりたいと思います。
○赤嶺委員 大臣、四千ヘクタール返還したんだから、負担の軽減だからといって、本当に墜落の危険を日々感じながら暮らしている人々がいる、六カ所の着陸帯をつくって訓練も激しくなった、もしかしたら県民の命の水がめそのものも失う結果になるような、今でも県議会の決議は水源地上空は飛ぶなということですよ。こういう重大な事態を引き起こしているという責任感はないんですか。何でそれが負担の軽減ですか。そんなのは負担の軽減じゃないですよ。もっと起きた事故の重大性を、責任を認識していただきたいと思います。
まだありますが、ちょっと時間も迫ってきましたので、今度は外務大臣に伺いたいと思いますが、外務大臣の前に警察庁ですね。
警察庁、今回の炎上事故にかかわって、事故機の機体に対する差し押さえ、検証のための令状、事故現場に対する捜索、差し押さえや検証のための令状を裁判所から取得していると聞いています。また、それに基づいて、米側に対し機体の検証への同意や嘱託を要請しているとも聞いています。それらについて、事実関係と米側の回答状況を明らかにしていただけますか。
○樹下政府参考人 沖縄県警察におきましては、事故翌日の十月十二日に、機体に対する差し押さえ許可状及び検証許可状、現場に対する捜索・差し押さえ許可状及び検証許可状を取得したことを承知しております。
同県警におきまして、十月十七日に、米側当局に対しまして機体の検証等に係る同意請求を実施し、同意が得られなかったことから、十月二十日に、機体の検証を米側当局に嘱託したものと承知をしております。
お尋ねの事案は、現在捜査中でありまして、米側当局との具体的なやりとり等についてはお答えを差し控えさせていただきますけれども、沖縄県警察におきまして、引き続き、米側当局と協力しつつ、適切に捜査を進めていくものと承知をしております。
○赤嶺委員 米側の同意が得られなかったから捜索できなかったと。
それで、外務大臣に伺いますが、今回の事故は、米軍基地の外の民有地で起きたものです。機体の検証に米軍が同意するよう働きかけるのが当然だと思いますが、この点について、どのように対応しているんですか。
○河野国務大臣 現在、沖縄県警と米側でさまざまなレベルで意思疎通が行われていると認識しております。米側の協力を得て、所要の捜査を引き続き行っていけるように、外務省としても引き続き必要な働きかけを行ってまいりたいと思います。
○赤嶺委員 いやいや、民有地で起こった事故なんですよ。事故機の検証も、日本の警察は米側の同意が得られていないわけですよ。そういう基地の外で起こった事故について、全部米軍が押さえて、捜査もできないような事態、これが続いているわけです。これについて、やはり外務省の方から米側に同意するよう警察任せにしないで働きかけるのが当然だと思いますが、いかがですか。
○河野国務大臣 今の日米地位協定並びに合意議事録を初め、米軍が機体の検証に同意を与えないことがあったとしても、これが直ちに地位協定に違反するとは考えられません。
米側に日本の当局の捜査への協力義務が課されているわけではございませんけれども、米側から必要な協力が得られるように、さまざまなルートを通じて協議をしてまいりたいと思いますし、これまでも随時改善が行われてきていると認識しております。
○赤嶺委員 全然、結局、事故原因も解明できない、警察は、証拠の山である事故機に触れることさえできない、検証もできない。それは地位協定十七条で、米側が拒否することも認められているんだ、地位協定上認められているんだというお答えでしたが。
地位協定の十七条は、基地の中の事故、基地の外の事件、それらについて規定しておりますが、基地の外の場合の警察権を米軍が発動するときは、米軍同士のけんかやトラブル、そのときは基地の外であっても米側の警察権が発動できるんですが、それ以外ですよ。今度のは別に米軍同士のトラブルやなんかじゃないですよ。米軍が、県民に、日本人に与えた被害ですよ。
だから、その後の合同委員会合意というのは、十七条の解釈をねじ曲げて、そして米側の警察権を免除している。そういう屈辱的なものと、十七条の解釈さえ外務省はねじ曲げているということを指摘しておきたいと思います。
河野外務大臣は、地位協定の取り組みに御熱心な時期もありました。極めて屈辱的で、事故が起きても、日本の警察が捜査もできない、検証もできない、自衛隊が見てきたから安全だというような事態、事故が起こっても米軍の運用について物も言えない日本政府の態度に強く抗議、改善を申し上げて、質問を終わります。