日本共産党の赤嶺政賢議員は5月24日の衆院沖縄北方特別委員会で、第2次世界大戦の沖縄戦戦没者の遺骨を遺族に返すためのDNA鑑定の対象を、希望する遺族すべてに広げるよう求めました。
赤嶺氏は、厚生労働省が3月に75人分の遺骨をDNA鑑定したものの、身元特定に至らなかったと発表したことについて、部隊記録などで遺族を絞り込んだことで、民間人が事実上対象にならなかったことが原因の一つだと指摘。厚労省の中井川誠審議官は、今年度からDNA鑑定の呼びかけを民間人に広げる方針を示しました。
赤嶺氏は、厚労省の方針では依然として遺骨が発見された場所と遺族との関係を証明することなどが鑑定の条件になっていると指摘。「沖縄戦の特徴は遺族ですら家族がどこで亡くなったか分からないことだ」とし、希望する遺族がいれば無条件で鑑定すべきだと迫りました。中井川氏は「対応を検討したい」と答えました。
赤嶺氏はまた、2015年の台風で破損した渡名喜村の漁港の防波堤の復旧工事が、米軍の実弾射撃訓練のために進んでいないとして「災害復旧より米軍の訓練を優先するなど言語道断だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2017年6月5日)
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戦没者遺骨の収集、渡名喜漁港の復旧工事について質問(衆院沖縄北方特別委)
議事録
○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
二〇一六年四月に、戦没者遺骨収集推進法が施行されました。国の責任で二〇二四年度までに集中的に遺骨収集を進めることが明記されております。
あれから一年経過をいたしましたが、厚労省の統計によると、沖縄戦の戦没者数は十八万八千百三十六人、遺骨収容数は十八万七千三百七十四人。数字だけ見ますと、終息に向かっているように見えるわけですが、ところが、現在でも、開発が行われたらいまだに遺骨が発見される、ボランティアの人たちの努力で収集が継続している状態であります。
来月の二十三日は七十二回目の慰霊の日を迎えますが、戦没者の遺骨が返ってくることを願う遺族の訴えを各地でよく聞きます。沖縄の戦後はまだ終わっていない、これが実感でありますが、そういう立場から厚労省に聞きますが、現時点で、遺骨の収容数に対して、DNA鑑定で遺族に返った実績はどうなっていますか。
○中井川政府参考人 お答え申し上げます。
今までDNA鑑定で、全体で千八十四名の方の身元を特定して、御遺骨をお返ししてまいりましたが、そのうち沖縄県につきましては、四名の方について、そういう形でお返ししている次第でございます。
○赤嶺委員 収集した遺骨が十八万人に対して、DNA鑑定で遺族に返ったのは四名。それで、その中には、軍人軍属以外に住民もおりますか。
○中井川政府参考人 申しわけありません。その四名の内訳につきましては、今ちょっと手元にデータがございませんので、回答は差し控えさせていただきます。
○赤嶺委員 質問通告をしたかどうかのさっきの議論もありますが、この四名の中に、軍人軍属以外に住民はおりません。これは厚労省から何度も聞いてきた説明であります。
沖縄戦は軍人の戦死よりも住民の犠牲が非常に多いわけです。沖縄戦の実相に照らせば、遺骨収集は、軍人にとどまらず、住民に対しても国の責任は明確ではないのかと思いますが、いかがですか。
○中井川政府参考人 ちょっと経緯から申し上げますと、私ども、今まで戦没者の遺骨のDNA鑑定は、遺留品でございますとか埋葬者名簿で戦没者の身元を推定する情報がある場合についてのみ行ってきておりまして、それにつきましては民間人の方も対象となってきて、実績として、民間人の方もお返ししたという実績はございます。
ただ、遺留品でございますとか埋葬者名簿があるケースというのは非常に限定されておりますので、一柱でも多くの御遺骨を御遺族のもとにお返しするためには、それ以外の情報によりまして身元を特定する方法について私どもとして検討を進めてきたところでございます。
そういうことで、平成二十八年度は、まず沖縄の四地域におきまして、新たな試みといたしまして、厚労省が保管する部隊記録に基づきましてある程度戦没者を特定し、その御遺族にDNA鑑定への参加を直接個別に呼びかけたところでございます。
ただ、先生御指摘のとおり、部隊記録ということですと軍人軍属に限定されるということでございますので、平成二十九年度からは、広報により、民間人も含め、広くDNA鑑定の申請を募ることとしている次第でございます。
○赤嶺委員 今の答弁の中で、先ほど、DNA鑑定で遺骨を遺族に返還したのは四件、でも皆さんの先ほどの答弁の中で、民間人もその中にはいらっしゃるということですが、それは事実ですか、四件の中に。
○中井川政府参考人 民間の戦没者も対象になっているというのは、例えばシベリアなんかの場合の抑留者名簿の中に民間人が入っているという、直近の事例で申し上げますとそういう事例でございまして、沖縄につきましては、先ほど申し上げましたとおり、今手元に資料がございませんので、答弁は差し控えさせていただきます。
○赤嶺委員 沖縄にはいないんですよね、民間人は。
それで、先ほど、何で軍人軍属に偏っているかということを、質問もしませんでしたが、問わず語りに答えていただきました。
ただ、沖縄戦というのは軍人軍属よりも住民の戦没者が多いんです。にもかかわらず、この遺骨収集推進法において住民も対象になるということは、法制定のときに厚労大臣に質問をしまして、そういう答弁もいただいています、でも、実態として、何で住民が対象にならないのか。それはやはり、先ほど言ったように、結局、戦没者について、戦没した場所とかかわりがある事例、そういうぐあいに非常に限定しているわけですね。
わかりやすい話として、皆さんがこの間行いました七十五柱のDNA鑑定、その結果が三月三十日に、七十五柱DNA鑑定をしたけれども身元特定に至らなかった、こういう報告を出しました。経緯について端的に説明していただけますか。
○中井川政府参考人 お答え申し上げます。
昨年度は、沖縄の四地域、先生御指摘の七十五検体について、部隊記録等に残されている死亡場所の情報から戦没者をある程度特定できる場合に、厚生労働省からその御遺族千七百三十六名に対しまして、直接個別にDNA鑑定の呼びかけを実施したところでございます。その結果として、三百一の検体を御提供いただきましてDNA鑑定を実施いたしましたが、残念ながら御遺族の特定には至らなかったということでございます。
○赤嶺委員 部隊記録に基づいてといいますと、最初から住民は除外していたということになりませんか。
○中井川政府参考人 御指摘のとおり、今回新たな試みとして、いわゆる従来の埋葬者名簿、遺留品以外のやり方として、新たな試みとしてやった結果が部隊記録ということでございます。それで、結果として判明に至らなかった。
その原因としては、先生御指摘のとおり、沖縄戦で住民の方が多数戦場におかれてお亡くなりになられた等の事情、それから沖縄戦の非常に大激戦の中で、その地域の部隊記録以外の部隊の方がそこの戦場にはおられた可能性、そういうのが当然推定されるわけでございますので、そういうことを踏まえまして、二十九年度からは、民間の方も含めて広く呼びかける方向を今検討しているところでございます。
○赤嶺委員 広く民間の人にも呼びかけるのは、それはいいんです。ただ、呼びかける場合に、あなた方がDNA鑑定をする場合に、その遺骨が見つかった、発見された場所と遺族とのつながりを証明することが条件になっていますよね、DNA鑑定に進むには。ここが一番の、住民がDNA鑑定に応ずる場合の難問になっているんです。
大体、自分の家族や兄弟や身内がどこで死んだか、そんなことはあの沖縄戦の中でわかるはずもないんですよ。わかっている人は本当に限られておりますよ。そういう沖縄戦の実相の中で、遺骨が発見された場所にあなたはどんな関係があるんですかというぐあいに、もしかしたら自分の家族かもしれないといって手を挙げる、その見つかった場所とあなたとの関係はどんな関係があるんですかというぐあいに言われたら、答えようがないんですよね。
自分の家族はどこで亡くなったかわからない。だから、改善するとおっしゃいましたけれども、結局、遺骨の発見された場所と遺族とのつながりを証明しようとした場合に、どこで家族が亡くなったかわからない、そういう状況があるわけですから、また今度の七十五検体と同じように、遺族のDNAがなかなか集まらず、結果は特定できなかったということになるのではないですか。
やはり、この際ですから、DNA鑑定を希望する住民は、手を挙げる住民は、一切の条件をつけずにDNA鑑定に応じてもらう、ここまでやってこそ本当の改善になるのではないですか。
○中井川政府参考人 お答え申し上げます。
御提案のように、DNA鑑定の対象を拡大して、死亡場所などの御遺族を推定する情報がない中で、たまたまそのDNA情報だけで、偶然の一致によりまして血縁関係の識別の確からしさが、確率の問題でございますけれども、同程度になる対象者が複数出現するという可能性が十分あるわけでございまして、結果として血縁関係を決定できないおそれがあるため、やはりそこは慎重な検討が必要でないかと考えているところでございます。
ただ、どういう形でその募集をするかについては今現在検討しておるところでございますので、沖縄県とも相談しながら対応を検討してまいりたいと考えております。
〔委員長退席、佐々木(隆)委員長代理着席〕
○赤嶺委員 DNA鑑定に応ずる人がたくさん出てきたら、それだけ一致する確率、可能性が低くなるようなおっしゃり方なんですが、でも、今のような厚労省の進め方でも全然突合できないわけですよね。やはり、どこで亡くなったかわからないという沖縄戦の現状に照らして、DNA鑑定に応ずる希望者は応じてもらうというのが、そういう条件を取っ払うということが今求められているんじゃないか。
条件はまだあるんですよね。遺骨の個体性があるものに限定している。頭蓋骨がなかったり、複数がまざったりしている遺骨は最初から除外されている。遺族は、指一本でも、指一本の骨の破片でも帰るのを待ち望んでいるわけです。それを、個体性を条件にした場合に極めて限られてくるわけですよ。
個体性の遺骨というのは、私も現場でいろいろ調査をしたことがありますが、例えば、見張りをしていて、見張りをしていたらそこに艦砲の射撃があって、ごうそのものが崩れて落盤して亡くなった、それが掘り返されたら個体性のある遺骨が四体出てきた、そういう事例はありますよ。だけれども、七十年近く遺骨収集は、非常に、遺族に返すという観点のないままやってきたわけですからね。
私が子供のころは、畑に行くときは、父親から言われるのは、畑に散らばっている戦没者の骨の破片を拾うことが仕事だったんです。全然、そのとき、遺族に返すという観点はありませんでした。今ようやく遺族に返すという観点があった場合に、指の骨一本でもいいからDNA鑑定をして身内であるかどうかを調べてほしいという希望ですよ。だから、個体性のある骨を条件にしてDNA鑑定をやりますということになったら極めて限られてくる。やはりその条件も取り払うべきではないかと思いますが、いかがですか。
〔佐々木(隆)委員長代理退席、委員長着席〕
○中井川政府参考人 お答え申し上げます。
DNA鑑定との関係で申し上げますと、個体性ということで、いわゆる頭骨、頭蓋骨から今までは歯のみを検体としておりましたので、頭骨があるということが個体性の条件となっていたわけでございますが、今般、今年度から、いわゆるDNA鑑定の対象を四肢骨に拡大いたしましたので、現行の個体性の概念というのはそれに合わせて見直すべく今現在検討しているところでございます。
○赤嶺委員 個体性ということがDNA鑑定の障害にならないように。ぜひ、指の骨の破片だけでも帰ってきてほしい、大体、亡くなった場所をずっと家族から言い伝えられてきて、今、年老いた遺族が、もしかしたら自分の兄はあのごうで亡くなったかもしれないという情報に基づいて、ボランティアの方々と遺骨収集をやったら指の骨が出てきた、これで情報どおりの場所に骨があったということで、そこを持ち帰って、兄が帰ってきたというような話も聞いています。個体性、個体性という無理な条件をつけるべきではないと思います。
これだけ遺骨を収集して、そしてDNA鑑定をして突合できなかった。では、その遺骨は今どうしているんですか。焼骨しているんですか。どのように扱っているんでしょうか。
○中井川政府参考人 沖縄県の場合におきましては、身元が判明しなかったものにつきましては、そのままの状態で仮安置所に安置されているものと承知しております。
○赤嶺委員 今度もさらにDNA鑑定をやって、これは今のような厚労省のやり方では突合できる事例が非常にまれですから、仮安置室におさめる、そういう遺骨がふえていくと思うんですよね。
それで、鶴保大臣、所管でないことは百も承知で申し上げるんですが、仮安置室というのは、今安置されている遺骨は六百柱ぐらいなんです。そんなに難しい質問じゃないですから。平和祈念公園の管理用倉庫が臨時的に仮安置室になっているんですよ。もう本当に、とても小さな建物です。
ところが、当初の予定より多くの遺骨が安置され、スペースの不足が深刻だということであります。柱を、遺骨を棚から取り出して、一つ一つ並べて、これはこの個体というぐあいにやっていくスペースもないんですよ。作業するスペースもない。今後、DNA鑑定を待つ遺骨がさらにふえるということが予測できます。だからといって、焼骨するわけにいかないんです。たまっていく一方なんです。ところが、それは公園の倉庫みたいなところで仮にやっている。
厚労省に聞きますと、厚労省は、遺骨収集事業に沖縄県の委託として二千百万円出しているから、これで何とかしろと言っているんです。そういうものは何ともできないと思うんですよ。
ごらんになっているかもしれませんが、ごらんになっていなければ、今度、六月二十三日、慰霊の日、行かれますよね。仮安置室というのはその上の方にありますので、ぜひごらんになって、沖縄担当大臣としても、厚労省の所管ではあるけれども、やはり沖縄の遺骨収集、何とかしなければいけないんじゃないか、そういう調査もしていただきたいなと思いますけれども、いかがですか。
○鶴保国務大臣 このたびの御質問を受けまして、私もちょっとまだ行かせていただいておりませんが、仮安置室なるものの写真等々をちょっと見せていただき、説明も受けました。今先生がおっしゃったようなDNA鑑定に資するスペース等々のことは、確かにこの写真で見る限りは、手狭なものであるというふうにも思います。
ただ、安置の状況が、全体としてどういうふうにされているかもちょっと把握をしない中で軽々なことは申し上げられませんが、収容した年度あるいはその翌年度に焼骨をして納骨をしているということでありますので、文字どおり仮安置の施設なのであろうというふうに思います。
今後、戦没者の遺骨収集等について、厚生労働省の所管ではありますけれども、沖縄県から内閣府に要望があれば、十分に要望に応えられるよう、検討をしていきたいというふうに考えております。
○赤嶺委員 本当に遺族に遺骨が渡るような努力を政府挙げてやっていただきたい。沖縄の遺骨収集のボランティアの皆さんは、政府がやるのが余りにも遅過ぎるということで、みずから皆さんのDNA鑑定を集団で厚労省に申告しようじゃないか、そういう運動も起こっております。厚労省は、今のままでいいんだということには絶対ならないようにしていただきたいと思います。
それで、ちょっと沖縄の離島にかかわって次の質問をしていきます。沖縄の離島の自治体で、渡名喜村の課題について聞きます。
那覇市の北西約六十八キロに位置し、フェリーで一時間四十五分、島の周囲は十二・五キロ、人口三百七十人、戸数二百十二戸の小さな島であります。
この島の最大の特徴は、島の住宅の周りはフクギの木で囲まれて、防風林ですよ、フクギの、家屋の多くは道路より一段低いところに建てられているんですね。だから、屋敷に入るときには階段をおりていくんですよ。そこは、台風の影響を避けるための先人の知恵だと言われました。
文化庁は、これらの建物、集落を重要伝統的建造物群保存地区というものに指定をしております。沖縄では、竹富島と並んでこの二カ所です。
島の水産業の拠点で、唯一の村民の足である定期船が就航する渡名喜漁港、この渡名喜漁港というのは、村民にとって最も重要な公共施設であります。渡名喜漁港は、台風など天気が荒れたとき以外にも、比較的小規模な季節風によっても、リーフ前面の港の入り口付近が荒れて、波が高くなり、漁に出ることやあるいはフェリーの欠航など、大変大きな影響を与えているんですね。あの港をどうにかしたい。
そこが、沖防波堤が台風で壊れました。今、その改修工事をやっているんですが、資料で図を出したんですが、その四キロ沖合にある出砂島射爆撃場、米軍の射爆撃場があって、赤い細い円を描いていますが、ここが演習区域になっているんですね。ちょうど渡名喜島の港のところにまでかかるようになっているんですね。壊れた第二沖防波堤もその中にすっぽり入っている。
復旧工事ですよ。ところが、演習区域の中にあるということで、演習のない日にしか工事ができない。演習のない日というのは日曜日だけなんですね。だから、工事がおくれにおくれているんですよ。私、災害復旧よりも米軍の訓練を優先するのか、こういうことに本当に怒りを感じました。
まず、外務大臣、そういうことがあっていいんでしょうか。後で防衛省はお答え願いますが、外務大臣の考え方を聞きたいと思います。
○岸田国務大臣 まず、米軍は、日米安全保障条約の目的の達成のために我が国に駐留し、必要な訓練を行っているものですが、我が国における米軍の円滑な駐留を確保するためにも、地域住民の方々の理解と協力を得られること、これは大変重要なことであると認識をしております。
かかる観点から、外務省としても、演習を含む米軍の諸活動が地域住民に及ぼす影響を最小限にすることが重要である、このような考えに基づいて、さまざまな課題に取り組んでおります。
そして、今御指摘の案件についてですが、御指摘の案件については、沖縄防衛局と在沖縄米軍との間で実務的なやりとりが行われていると承知をしております。今申し上げたような基本的な考え方、すなわち、地域住民の方々への影響を最小限にとどめる、こうした考え方に基づいて、外務省としましても、防衛省と連携しながら、米側に対して働きかけを続けていきたい、このように考えます。
○赤嶺委員 最小限にとどめると言いますが、そこはもう、渡名喜港というのは住民の命綱みたいなものの一番、まず舗装道路がない島ですから、車もなかなか通らない。港ですよ。漁業、水産業だけがそこの島の産業ですよ。もう最小限どころか、最大限の影響を米軍の演習が与えているんですよ。外務大臣のおっしゃるのが本当のお気持ちであれば、これはもう大変な問題だ、言語道断だ。
それで、実務的に始まっているというのがありましたけれども、実務的に、沖縄県が連続十日間の日数が欲しいというので、そういう方面で米軍と調整しているということでしたが、米軍から、連続十日間工事をやってよろしいというような話は出たんですか。交渉をやっているのはわかります。だけれども、結論が出たかどうか、これだけ答えてください。
○深山政府参考人 沖縄防衛局長、沖縄防衛局の方で受けている話でございます、まず、私からお答えをいたします。
赤嶺委員御指摘の連続工事の日数の確保、これについて今調整を行っております。まだ結論は出ておりませんけれども、沖縄県からも七月三十日までに工事を完了させることが必要だという御要請を受けておりますので、それに間に合うように今鋭意調整を行っているところでございます。
○赤嶺委員 政務官、まだ結論が出ていないというんですよ。沖縄県が要請したのは去年の十一月ですよ。もう台風のシーズンですよ。この防波堤がさらに壊れたら、フェリーは欠航するし、漁船は出ていけないし、交通が遮断されるわけですよ。これは言語道断だと思いますよ。
私は、交渉している、していると言うから、きょうはいい返事が聞けるだろうと思ったんですが、まだ米側から返事をもらっていないという。これは直ちに改善するよう、外務省沖縄事務所にも申し入れておりますから、挙げて努力すべきじゃないですか。大体、防災よりも米軍の演習を優先しているということ自体が異常ですよ。いかがですか。
○宮澤大臣政務官 お答えいたします。
先ほど局長の方からも答弁がございましたけれども、防衛省としましては、沖縄県から受けておりますのは、この災害復旧工事が冬の海洋状況ですとか米軍の訓練の影響により確かにおくれているということは受けております。そして、この工事につきましては、台風シーズン前の七月三十日までには完成させる必要があるため、協議の進展を求める、こういうことも受けております。
ですので、この件の重要性については十分に認識しているところでございます。
現在、この災害復旧工事が着実に実施されますよう、沖縄県と米軍と緊密に連携をとっているところでございまして、工事の完了が沖縄県から要望があった期日に間に合うよう、今後とも鋭意調整をしてまいる所存でございます。
○赤嶺委員 終わります。