国会質問

質問日:2017年 4月 25日  第193国会  安全保障委員会

工事着手抗議 新基地建設中止・撤回を 衆院安保委で赤嶺氏が主張

 

 日本共産党の赤嶺政賢議員は4月25日の衆院安全保障委員会で、同日午前に沖縄防衛局が県民多数の反対を押し切り、名護市辺野古への米軍新基地建設の本格的な海上工事に着手したことについて、「断じて容認できない」と抗議し、「新基地建設はただちに中止・撤回し、普天間基地を閉鎖・撤去せよ」と求めました。

 

 

 赤嶺氏は、地元紙の同日付世論調査でも、新基地建設「反対」が61%と「賛成」の23%を大幅に上回っていることを紹介。本格的な埋め立て工事を始めようとする安倍政権の姿勢を「妥当でない」は65%(「妥当だ」23%)に達していると強調しました。

 稲田朋美防衛相は「準備が整ったので護岸工事を開始した」と強弁。「反対意見が多いことは承知しているが、工事を進める」と言明しました。

 赤嶺氏は、沖縄における米軍基地の形成過程や沖縄の本土復帰の原点にふれ、「米軍基地の縮小撤去に取り組むべきであり、辺野古の新基地建設は直ちに中止・撤回し、普天間基地は閉鎖・撤去を強く求めたい」と主張しました。(しんぶん赤旗 2017年4月26日)

 

平和的外交的解決を 北朝鮮問題で主張

 日本共産党の赤嶺政賢議員は4月25日の衆院安全保障委員会で、北朝鮮問題への対応で「すべての選択肢がテーブルの上にある」とのトランプ米大統領の「言葉と行動」を高く評価した安倍晋三首相発言を批判し、「安保理決議の厳格な実施など、国際社会が一致して平和的外交的な解決に徹するべきだ」と主張しました。

 首相が評価した「行動」の中身をただした赤嶺氏に、外務省の四方敬之参事官は、「米空母カール・ビンソンと米軍の展開も含まれる」と言明。稲田朋美防衛相は、カール・ビンソン空母打撃群と海上自衛隊の共同訓練によって「日米同盟の強さを増すことができる」「地域の安定化に向けたわが国の意志と高い能力を示す効果がある」と答弁しました。

 赤嶺氏は、「北朝鮮による核・ミサイル開発は、国連安保理決議、日朝平壌宣言、6カ国協議の共同声明に反する暴挙だ」と批判。同時に、「日米同盟の強さを見せつけるなど、戦争への発展が安易に語られてはならない。絶対に戦争にしてはならない」と強調しました。

 同委員会は同日、防衛省設置法等改定案を自民、公明、維新など各党の賛成で可決。日本共産党、民進、社民は反対しました。

 採決に先立つ討論で赤嶺氏は、法案による陸上総隊の新編成は、南西地域に全国の部隊を投入し、一元的に指揮するためのものだと批判。「軍事体制の強化は周辺諸国との緊張を高め、軍事対軍事の悪循環を招くだけだ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2017年4月27日)

 

質問の映像へのリンク

辺野古新基地、北朝鮮、陸上総隊の新編などについて質問(衆院安保委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 最初に、辺野古の新基地建設について聞きますが、けさ九時二十分ごろ、沖縄防衛局が護岸工事に着手したということになっています。県民の反対の意思を踏みにじって、本格的な海上工事に着手したことは、断じて容認できません。
 防衛大臣に伺いますが、けさの地元紙の世論調査によると、新基地建設に反対が六一%、賛成は二三%、本格的な埋立工事を始めようとする安倍政権の姿勢について、妥当だは二三%、妥当ではないは六五%であります。最高裁判決を経た今も、県民多数は新基地建設に反対であることを示すものだと思いますが、大臣はどういう認識ですか。

○稲田国務大臣 今委員が御指摘になったように、代替施設建設事業について、水の濁りの拡散を防止するための汚濁防止膜の設置作業を終え、護岸工事に必要な資機材の準備などを進めて、本日、準備が整ったことから、護岸工事を開始したところでございます。
 今委員御指摘になったように、沖縄県において反対の意見が非常に多いということでございますが、そういったことも心には感じております。しかし、昨年末、最高裁、そして昨年の三月の和解の趣旨、関係法令に基づいて、住民の生活やまた自然環境にも最大限配慮をして工事を進めてまいります。

○赤嶺委員 この問題で一時間ぐらいとってやりとりしたいんですが、戦後七十二年間、沖縄に新たな基地を押しつけるようなことは受け入れられるはずがないんですよ。どうやって米軍基地が沖縄でつくられてきたかという基地の形成過程、それから本土復帰の原点に立ち返って、あのとき政府は、沖縄の基地を縮小するというような国会決議まで行っているわけですよ。
 米軍基地の縮小、撤去に取り組むべきであって、辺野古の新基地建設は直ちに中止、撤回、普天間基地は閉鎖、撤去、これを強く求めたいと思います。
 次に、北朝鮮問題について、これは最初に外務省に伺いますが、昨日、安倍首相は、トランプ大統領と電話会談を行い、全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示すトランプ大統領の姿勢を高く評価する、こう述べました。
 この行動とは具体的に何を指すんですか。

○四方政府参考人 お答え申し上げます。
 昨日の日米首脳電話会談におきましては、安倍総理とトランプ大統領の間で北朝鮮問題に関し政策のすり合わせを行うとともに、中国の役割が重要であり、さらに大きな役割を果たすよう働きかけていくこと、また、今回の日米共同巡航訓練を含め、引き続き日米間で緊密に連携していくことで一致いたしました。
 地域の安全保障環境が一層厳しさを増す中、米国の抑止力を確保することが重要と考えておりまして、このような観点から、米国が全ての選択肢がテーブルの上にあるとの姿勢を示していることを総理の方から評価されたということでございまして、日本政府といたしましては、日米同盟の抑止力、対処力を一層強化してまいりたいと考えております。

○赤嶺委員 ですから、トランプ大統領が全ての選択肢がテーブルの上にあることを言葉と行動で示す、そういう姿勢を高く評価すると言っているわけですね。その行動とは何を指すのかということを聞いているわけです。

○四方政府参考人 委員御指摘のとおり、米国が全ての選択肢がテーブルの上にあるという姿勢を示しておるわけでございますけれども、その選択肢がどのようなものかということにつきましては、米国政府としてあえて明らかにしていないというふうに考えております。

○赤嶺委員 カール・ビンソンの行動などは含まれるんですか。

○四方政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、日米首脳電話会談におきましても、今回の日米共同巡航訓練を含め、引き続き日米間で緊密に連携していくということで一致しております。その意味では、カール・ビンソン等米軍の展開につきましても含まれるということだと考えております。

○赤嶺委員 防衛大臣に伺いますが、今、海上自衛隊の艦船二隻が、米空母カール・ビンソンとの共同訓練を行っています。先ほどもありましたが、けさの報道では、西太平洋だけでなく、日本海でも実施する方針を固めたと報じられております。そういうことですか。

○稲田国務大臣 先ほど御答弁いたしましたように、日本海でということを現時点で決めているということではございません。

○赤嶺委員 大臣は、きのうの答弁で、あくまで戦術技量の向上と米海軍との連携強化が目的だと述べました。
 総理が、北朝鮮問題とのかかわりで、カール・ビンソンの行動を高く評価し、そのカール・ビンソンと今共同訓練を行っています。日米が一体となって北朝鮮に対して軍事的圧力をかけるものであることは明らかではありませんか。

○稲田国務大臣 まず、昨日もきょうもお答えいたしましたように、今回の訓練の目的は、海上自衛隊の戦術技量の向上及び米海軍との連携強化を図ることを目的としておりますし、また、特定の国、地域を念頭に置いての訓練ではありません。
 その上で、この訓練を実施した結果として、日米の連携強化が図られ、そのきずなを示すことによって、北朝鮮による核、ミサイルの開発や運用能力の向上が新たな段階の脅威になるなど我が国の安全保障環境が厳しさを増している中で、日米同盟全体の抑止力、対処力を強化し、地域の安定化に向けた我が国の意思、そして高い能力を示す、そういった効果があるというふうに考えております。

○赤嶺委員 新ガイドラインで、日米が平時から同盟調整メカニズムを活用して、柔軟に選択される抑止措置及び事態の緩和を目的とした行動を含む同盟としての適切な対応を実施するとして、戦略的な情報発信を調整すると新ガイドラインでは規定しているわけですね。
 先ほども出ましたFDO、柔軟抑止選択肢というそうですが、まさに、このガイドラインの規定に基づいて今北朝鮮に対して日米が一体となって軍事的圧力をかけている、そういうことではありませんか。

○稲田国務大臣 まず、先ほども申し上げたとおり、今回の訓練が特定の国を念頭にしているものではないということでございます。
 また、御指摘のFDO、柔軟に選択される抑止措置については、あくまでも抑止のための行動であって、外交、情報、軍事、経済を手段として実施され、早期の緊張緩和、危機解決へと導くためのものであるというふうに認識をしております。

○赤嶺委員 安倍首相は、記者団に対して、共同訓練の開始に言及した上で、引き続きアメリカと緊密に連携し、高度な警戒監視体制を維持し、我が国として毅然として対応していく、こう述べています。毅然として対応していく相手がちゃんといるわけですね。このことからも、今回の共同訓練の目的、これはもう明らかであります。
 防衛大臣にさらに伺いますが、こうした日米による軍事的圧力が朝鮮半島や日本で甚大な犠牲者を生む事態に発展するおそれ、これについてどう認識しておられますか。

○稲田国務大臣 あくまでも先ほど申し上げたような目的が今回の共同訓練でありますし、そして、この共同訓練を実施することによって、日米の連携強化、さらには日米同盟の強さを増すことができ、また、日米同盟全体の抑止力、対処力を一層強化し、地域の安定化に向けた我が国の意思と高い能力を示す効果があることにより、地域の安定に資するものだというふうに考えております。

○赤嶺委員 私は、北朝鮮によるミサイルの開発や核の開発は、安保理決議に照らしても、それから日朝平壌宣言に照らしても、さらには六カ国協議の共同声明にも反する暴挙である、このように糾弾してまいりました。絶対に許されない行為であります。
 しかし、絶対にこれを戦争にしてはならない、こう思います。戦争への発展が安易に語られ過ぎてはならない。勇ましいことを言って、日米同盟の強さを見せつけるとか抑止力につながるとかと言っても、戦争が始まったらもう泥沼化ですよ。抜け出すことは絶対にできないですよ。どれだけの犠牲が出るか。
 やはり北朝鮮の問題というのは、国際社会が一致して、安保理決議を厳格に実施して、平和的、外交的に解決すべきであります。そのことを政府に強く求めておきたい、こう思います。
 次に、法案について伺います。
 法案には、戦後の陸上自衛隊の体制を大きく変えて陸上総隊を新編し、陸上総隊司令官が全国の部隊を一元的に指揮することを可能にする改定が盛り込まれています。
 何のためにこのような変更が必要なのか。この間、島嶼防衛を理由に挙げておりますが、これは具体的にはどういう事態を想定したものか、説明していただけますか。

○高橋政府参考人 先ほどございました、我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増しておるという観点から、弾道ミサイル攻撃でございますとか、島嶼部に対する攻撃、あるいは大規模災害など、陸海空自衛隊が統合運用により全国レベルで機動的に対応すべき事態がますます想定されるというところで申し上げました。
 したがいまして、例えば島嶼部に対する攻撃でも、それに対する奪還作戦あるいは先行しての島嶼の部隊を展開するという観点から、陸上自衛隊の今現在の五つの方面隊、それから中央即応集団ということで、いわゆる中間司令部が六つに分かれてございまして、それを一元的に機動的に運用して、例えば特定の諸島、余り具体的な名前を挙げるのはいかがかと思いますが、そういうような諸島に対しての奪還作戦、あるいは、先行的な上陸が必要であればそのような対処を行うという趣旨で陸上総隊をつくるということでございます。

○赤嶺委員 奪還作戦ということは、島嶼に着上陸侵攻があるという事態、こういうのも想定しておられるということですか。

○高橋政府参考人 島嶼部への攻撃の中で、さまざまな様相の中で、先行的に向こうが占拠した場合には我々の奪還も当然一つのオペレーションとしてあり得る、そういうふうに考えております。

○赤嶺委員 どこの島が想定されるんですか。

○高橋政府参考人 今具体的にそこをどこの島かというふうに特定申し上げるのは差し控えたいと思います。

○赤嶺委員 皆さんの文献やいろいろな報告書には南西諸島という言葉が頻繁に出てまいります。与那国の自衛隊配備や宮古、石垣島への配備ですね。
 私は、戦場になって大きな犠牲があった、そういう体験が生々しく残っている島で、奪還作戦などとこんなことを、いわば沖縄を戦場にすることを想定して全国から自衛隊を機動的に投入するためのもの、こういうのは絶対に許されないということを申し上げておきたいと思います。
 陸上総隊の新編に伴って、昨年七月の日米合同委員会で、キャンプ座間の共同使用の条件を変更しています。何のためにどういう変更を行ったんですか。

○高橋政府参考人 今回お願いしてございます陸上総隊をつくるに当たりまして、陸上総隊は座間ではなく朝霞に設置することになってございます。
 朝霞に移転した後、では、座間をどうするかということでございますが、中央即応集団司令部廃止後の司令部庁舎、鉄骨鉄筋コンクリート造約六階建ての九千七百平米でございますが、中央即応集団司令部が廃止された後は、陸上総隊の日米共同部、陸上自衛隊の第四施設群、それから在日米陸軍が共同使用するということになってございます。
 これは、平素からの実効性の高い連絡調整機能を確保することに加えまして、首都圏における大規模災害への対応能力の強化を図るという観点から行うものでございまして、その建物につきまして、在日米軍の共同使用にするということで、二4(a)ということで手続をとったということでございます。

○赤嶺委員 二4(a)の手続をとったということですが、合同委員会合意の概要を見てみましたら、期間は限定されていません。米軍が常駐するということですか。

○高橋政府参考人 もともと、キャンプ座間でございますので、在日米陸軍司令部があるところでございまして、陸上自衛隊の中央即応集団が廃止され、いなくなった後、その建物をどう使うかということでございまして、九千七百平米の建物につきまして、今、人数については具体的には決まっておりませんが、在日米陸軍がこれについても共同使用する、そういう整理でございます。

○赤嶺委員 建物は日本政府の予算でつくったものですよね。もともと米軍のものですか。

○高橋政府参考人 おっしゃるとおりでございまして、中央即応集団司令部をつくった段階で我が国の予算でつくりました行政財産でございましたけれども、これを用途を変更いたしまして二4(a)化するということが米陸軍の使用について行われたということでございます。

○赤嶺委員 米軍がいつまでも、駐留する期限もはっきりしていないわけですが、中央即応集団の建物はこれから米軍が使いますと。
 米軍が使うことに伴って、建物の施設整備、これもあるんですか。

○高橋政府参考人 中央即応集団が廃止された後の庁舎につきましては、先ほど申し上げましたように、陸上総隊司令部の日米共同部、それから陸上自衛隊の第四施設群、在日米陸軍が使うということで、これまでのように中央即応集団司令部だけが使うということではございませんので、庁舎内のレイアウトの変更に伴う改修工事が必要だということでございまして、これについては予算を計上するということになってございますが、個別の工事の予算額につきましては、実施する工事契約の予定価格が類推されるため、お答えすることはこの場では差し控えたいというふうに考えております。

○赤嶺委員 日本政府の予算でつくった建物を今度は米軍に使ってもらう、さらに施設整備も行うと。
 キャンプ座間は、二〇〇七年の米陸軍第一軍団前方司令部の発足に伴って、コマンド、いわゆる指揮統制センターが新設をされています。これはマスコミにも公開され、自衛隊とも秘密回線で連絡をとれることが報じられていますが、このセンターに加えて日米が連絡調整を行うための場所を新たに確保する、その理由は何ですか。

○高橋政府参考人 これは米軍再編の議論の中でございましたが、在日米陸軍と陸上自衛隊の連絡調整をスムーズに行うという観点から中央即応集団司令部につきましては座間に設置されたということでございますが、今回、陸上総隊司令部が朝霞に新編する。これは、座間の地積が足りないという観点から朝霞に新編されることになりましたので、その米軍との連絡調整機能につきまして、引き続き日米共同部という形で座間に置くということになってございます。
 これは、これまでの日々行われている米軍との連絡調整を引き続き維持して、より円滑に行うという観点からのものでございます。ですから、従前と大きく変わるものではないというふうに考えてございます。

○赤嶺委員 ここでも、日米が一体となった訓練、また、南西諸島というところを想定した日米の一体の体制づくりだと断ぜざるを得ません。これも認められません。
 次に、南西航空方面隊の関係ですが、三月十六日の本委員会で、沖縄の本土復帰当時、米軍が運用していたレーダーサイトを自衛隊が引き継いだ際、レーダーサイトで捉えた航空機などの情報が米軍にも共有されていたのか質問をいたしました。明確な答弁はありませんでした。
 その点、改めて確認したいのと、現在はどうなっているのか、これも含めて答えていただけますか。

○辰己政府参考人 お答えします。
 昭和四十八年に、沖縄において、対領空侵犯措置を米軍から引き継いでおります。この際に、防空司令所、那覇にございますが、ここに米軍の第五空軍の連絡員が配置され、日米の情報共有が行われていたと承知しております。
 現在、那覇には米軍の連絡員は配置されておりませんが、必要に応じて、日米は自動警戒管制システム、ジャッジなどを通じて引き続き緊密な情報共有を行っております。

○赤嶺委員 ここでもアメリカの役割を肩がわりした自衛隊の姿が出ていると思います。
 きょうもちょっと時間は足りませんでしたが、一応これで質問を終わります。

すべて表示

このページをシェアする