議事録
○赤嶺委員
日本共産党の赤嶺政賢です。
きょうは、まず最初に、沖縄の鳥島の米軍の訓練水域問題について質問していきます。
先ほど、嘉数先生の方からも質問がありました。同じテーマの質問を嘉数先生と私が取り上げている、ここにこの問題の深刻さ、そして沖縄における世論の盛り上がりがあるわけですから、政府、外務大臣、そして防衛大臣については、しっかり受けとめていただきたいと思います。
この間の答弁でいきますと、県知事やあるいは久米島町長、そして県の漁業協同組合連合会長、久米島漁業組合長、米軍の訓練水域について、場所は、鳥島と久米島の両米軍射爆撃場、そして米軍のホテル・ホテル訓練区域でありますが、先ほどの外務大臣の答弁を聞いておりましたら、日米安全保障条約の目的達成のために引き続き維持していくことが重要だとおっしゃっておりました。
これらの訓練水域は、日米安全保障条約の目的達成のためにどんな訓練をしているか、外務大臣、御存じですか。
〔委員長退席、江渡委員長代理着席〕
○西宮政府参考人
射爆撃訓練に使用されていると理解しております。
○赤嶺委員
どこの部隊が来て、どんな射爆撃訓練をしているんですか。
○西宮政府参考人
お尋ねの点につきましては、米軍の運用にかかわることでございまして、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。
○赤嶺委員
外務大臣、つまり、日米安全保障条約の目的達成のために重要だと言いながら、その射爆撃場がどんな訓練をしているのか、水域で何をやっているか、米軍の運用にかかわることだから答えないんですよ、説明できないんですよ。だから、安保条約の目的達成のために必要だというだけでは県民に対する何の説明にもなっていないということをまず御指摘しておきたいと思います。
それで、防衛大臣に伺いますが、防衛大臣は防衛という問題と並んで漁業、水産業についても大変な専門家でいらっしゃるということは私も認識しておりますが、今回の問題というのはまさに漁業とかかわっているわけです。沖縄の陸域には広大な米軍基地がありますが、空域も水域も米軍基地に取り囲まれているわけです。広大な訓練水域は、沖縄の漁師たちから漁場を奪っている。漁場間の移動にも遠回りを強いている。その上、この夏の原油価格の高騰で操業経費も高騰し、漁師らの生活は圧迫されてきたというのがあるわけです。
同時に、今月四日に、沖縄船籍のマグロ漁船がミクロネシア連邦近海で領海侵犯で拿捕されました。船長は、GPSの誤差で領海内に誤って進入した、誤差だったんだと言っている。ところが、沖縄近海というのはマグロの好漁場なんですよ。だから、何で遠くミクロネシアまで行って漁をしなければいけないか。莫大な燃料費、莫大なお金を使って行くわけです。それは、近くの漁場が訓練水域になっていて漁ができないからなんですね。訓練水域や空域を越える誤爆や事故も後を絶たない。漁船の安全操業が脅かされている。
防衛大臣、そういうことを御存じでしょうか、いかがですか。
○浜田国務大臣
水産業に従事する、そしてまた漁師という立場からすれば、当然これは自分の目の前の海で操業したいという思いがあるというのは十二分に承知をするところでもありますし、今先生が御指摘のように、ミクロネシアまで行く必要はないではないかということも、漁師の気持ちというものを考えれば、当然よくわかるわけであります。それを私自身も水産関係の仕事をさせていただきましたのでよくわかった上で、今先生に御指摘をされれば、当然漁師さんの立場は大変だなというふうに思います。
ただ、そこで、我々とすれば、今その地域においてマグロが好漁地域、今大変マグロも値段もよくて、そういう意味では商売をするには一番いい魚種だと思うわけでありますが、その点も含めて、今先生が御指摘のような、そういった水域にひっかかるというようなことを一体全体今後どうしていくのかということをやはり我々も頭の中に入れて、いろいろな米側との交渉等もしなければならないという思いではおります。
先生がおっしゃるように、わざわざミクロネシアまで行かなくてもいいではないかという御指摘は確かにそのとおりだというふうに思いますし、今後、しっかりとまた漁師さんたちの立場に立って、解決できる方法があれば目指してやっていきたいというふうに思っておるところであります。
○赤嶺委員
漁師の立場に立つということは水域の返還でありますから、防衛大臣。
マグロだけじゃないんですよ、ソデイカがあるんです。沖縄のソデイカは、特に久米島を中心として、日本の六割があの近海でとれているんですよ。このソデイカは漁法が発達して漁業として成り立つようになったものですから、ある意味、防衛地域に提供して補償をもらうというような話とソデイカ漁の発達と比べてみたら、全く収入が違うという意識があるんですね。漁民だから漁業で食っていきたい、漁業で立っていきたいというのがあるわけです。
そういう漁民の思いが、県知事の要請になり、あしたは県議会の超党派の決議になり、そうだと、沖縄県民は宝のような漁場を、しかも、戦後ずっと米軍の直接占領下のもとで、言われるのは、安保条約の目的達成のために必要だ必要だと、六十年間同じことを言ってきて、そして、沖縄県民がなぜ一つにまとまっているかというような核心についてやはり十分な理解もなしに、とにかくアメリカといろいろやってみますということではないと思うんです。これだけ県民の総意がはっきりしているわけですから。
かつて、石破防衛大臣が、その要求が県民の総意であれば、日米合同委員会に提案をして、日米間の交渉に移りたいということをおっしゃっていたんです。これは、沖縄の与党の議員の先生方もみんな御存じであります。
もう日米合同委員会に提案する時期だ、外務大臣、そのようにお考えになりませんか。
○中曽根国務大臣
訓練区域それから射爆撃場のこういうところのあり方、そういうものにつきましては、私のところにも知事さんやまた市町村長さんがお見えになりましたけれども、そういう地方公共団体からの御要望、そういうものを、またさらには、当然のことながら日米安全保障上のいろいろな点というものを勘案しながら、米側と協議をやっておるわけでございまして、今後も、そういう、先生のおっしゃる沖縄県のいろいろな問題につきましては、御要請というものをしっかりと踏まえて対応していきたい、そういうふうに思っております。
○赤嶺委員
米軍基地を押しつけて経済振興はしっかりやるつもりですという政府の立場がいいのか、それとも、沖縄の自然の恵みを生かした経済の発展を図るのか、このことが問われている大事な問題です。私が日ごろ言う基地撤去という立場と今回の訓練水域の返還という立場、共通点もありますが、しかし、本当に今宝のような自然を取り戻したいという思いで取り組んでいることですから、ぜひそこは強く取り組んでいただきたい。
きょうはちょっとほかにもやることがありますので、また引き続きこれはやっていきます。