国会質問

質問日:2017年 1月 27日  第193国会  予算委員会

オスプレイに構造的欠陥 プロペラ容易に破損も 赤嶺議員追及に政府は否定できず

 

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 日本共産党の赤嶺政賢議員は1月27日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市の浅瀬に米軍普天間基地所属の垂直離着陸機MV22オスプレイが墜落・大破した事故(昨年12月13日)をとりあげ、オスプレイの飛行と空中給油の再開を容認した政府の姿勢を追及。政府の説明とは異なり、オスプレイが持つ構造的欠陥と危険性が明らかになりました。

 

 MC130特殊作戦機からの空中給油訓練中に発生した今回の事故について、防衛省は「給油ホースを分離させた後に、乱気流等により、給油ホースとオスプレイのプロペラが接触した」と説明しています。

 

 赤嶺氏の質問に気象庁の橋田俊彦長官は、「事故当時に乱気流の発生を確認していない」と答弁しました。

 

 赤嶺氏は、米フロリダ州で前方機から生じる後方乱気流で後続のオスプレイが墜落した事例(2012年)にふれ、「MC130からの後方乱気流で、オスプレイが機体のバランスを崩し、給油ホースに接触した可能性はないのか」と追及。政府はこれを否定できませんでした。

 

 赤嶺氏は、給油ホースの接触でオスプレイのプロペラが損傷したことについて、米国防総省でオスプレイの開発にかかわった専門家が「プロペラはホースに当たるとバラバラに壊れてしまう」と述べていることを紹介。「プロペラの強度を確認しているのか」とただしました。防衛省の深山延暁地方協力局長は「米側に直接は強度を確認していない」と述べました。

 

 また赤嶺氏は、米軍の空中給油機と戦闘機が名護市役所の上空で空中給油訓練を行っていたところを目撃した同市職員の証言(15年10月26日)を紹介。「陸地から離れた海域の上空でしか(空中給油訓練を)行わない」としてきた従来の政府答弁との矛盾を追及しました。(しんぶん赤旗 2017年1月28日)

 

■沖縄で墜落 オスプレイの危険鮮明 それでも飛行を政府は認めるのか 赤嶺氏追及で説明総破たん 衆院予算委

 

 

 日本共産党の赤嶺政賢議員は1月27日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市の浅瀬に墜落したMV22オスプレイの構造的欠陥を示し、同機の速やかな撤去を求めました。政府はまともに答弁できず、オスプレイの危険性が鮮明になりました。

 

「不時着水」というが政府も当初「墜落」

 

 

 米軍普天間基地所属のオスプレイが昨年12月13日、沖縄本島東海岸沖でMC130特殊作戦機との空中給油訓練中に事故を起こし、墜落・大破しました。日本政府は「機体はパイロットのコントロール下にあった」との米側の説明をうのみにして「不時着水」との言葉を使い続けています。

 

 赤嶺氏は「機体をコントロールできていたなら、なぜ(名護市内の)キャンプ・シュワブまで行って着陸しなかったのか」と指摘。沖縄防衛局が名護市に送った第一報では「墜落」と表現していたことを明らかにして、政府の認識をただしました。防衛省の深山延暁地方協力局長は「事故の第一報を受けた時は、詳細を把握できない状況だった」と弁明に追われました。

 

「乱気流が発生」というが気象庁「予測されてない」

 

 日本政府は、墜落事故の6日後にオスプレイの飛行再開を容認。事故原因の調査は継続中としながら、「機体構造が原因ではない」と結論づけています。

 

 赤嶺氏は、事故原因について「肝心の問題がはっきりしない」と指摘。防衛省が「給油ホースを分離させた後に、乱気流等により、給油ホースとオスプレイのプロペラが接触した」としている点をあげ、「乱気流の発生をどのように確認したのか」とただしました。

 

 深山局長は「(米側から)説明を受けているところ。その後も引き続き調査を行っている」というだけで、根拠を示せません。橋田俊彦・気象庁長官は、「沖縄本島周辺の上空では、中程度以上の乱気流を伴う可能性のある悪天候は予測されていない」、「民間航空機からの報告もない」と答弁しました。

 

 そこで、赤嶺氏は、乱気流が自然現象ではなく、航空機が引き起こす後方乱気流であった可能性に言及しました。両翼に回転翼を持つオスプレイは風の影響を受けやすいとされており、「MC130による後方乱気流の影響でオスプレイがバランスを崩し、給油ホースに接触した可能性はないのか」と指摘。「ボイスレコーダーの検証や搭乗員への事情聴取などの具体的な情報提供を米側から受けているのか」とただすと、深山局長は「ボイスレコーダーを渡されたということはない」と答え、米側の説明をうのみにしていることを認めました。

 

プロペラの強度「米軍側に確認せず」

 

 赤嶺氏は、両翼の大きなプロペラは給油ホースとの接触事故を起こす可能性が高く、しかもプロペラは非常に壊れやすい構造になっていることを指摘。オスプレイ開発に携わったレックス・リボロ氏が「通常のヘリでホースがローターに当たれば、ホースが切れ、緊急着陸できる。オスプレイのプロペラは非常に繊細で、ホースに当たるとバラバラに壊れてしまう」と述べていることも示し、「プロペラの強度について米側に確認しているのか」とただしました。

 

 深山局長は「米側に確認していない」と答弁。未確認であることを認めました。

 

 赤嶺氏が「オスプレイの機体構造に起因した事故だった可能性を否定することはできない」とただすと、安倍晋三首相は「米側と連携を密にして安全確保に万全を期す」としか答えられませんでした。

 

「陸地で給油訓練」しないというが名護市上空で確認

 

 安倍首相は、オスプレイが6日に空中給油訓練を再開したことについて「訓練は今後とも陸地から離れた場所でしか行わないことも(米側に)確認している」と答弁しました。

 

 これに対し赤嶺氏は2015年10月26日、沖縄県名護市役所の上空で同市職員が米軍の空中給油機と戦闘機による空中給油訓練を目撃したと指摘。空中給油機が2本の給油ホースを後方に伸ばしながら飛行し(図上)、並行して飛行している戦闘機の写真(図下)を示し、「陸地の上空でも空中給油を実施している」と追及しました。

 

 深山局長は、訓練の有無については「米軍に問い合わせをしている」と回答しました。

 

 赤嶺氏は、訓練について米側に問い合わせをするしかない状況で、「『陸地の上空では訓練を行わない』という答弁だけを独り歩きさせるのはやめるべきだ」と迫りました。

 

「普天間の危険性除去」いうが墜落現場上空がルートに

 

 赤嶺氏は、名護市辺野古の米軍新基地周辺に計画されたオスプレイの飛行ルートを示し(図)、今回のオスプレイ墜落現場は管制塔の誘導に従って飛行する「計器飛行」ルートの直下に当たると指摘。「墜落現場の上空をオスプレイが日常的に飛行する。そういう基地建設を進めていることを認めるか」と追及しました。

 

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 稲田朋美防衛相は「辺野古移転は普天間飛行場の危険性除去のための唯一の解決策だ」と強弁。安倍首相は「普天間では住宅地の上空を飛行するが、辺野古移転で陸上ではなく海上を飛行することになる」と正当化しました。

 

 赤嶺氏は「陸地の上空を飛ぶ図を見せられて、よくも海上を飛行すると言えたものだ」と批判。「危険な普天間基地は閉鎖、撤去して、辺野古基地も造らないことを強く求める」と述べました。(しんぶん赤旗 2017年1月28日)

質問の映像へのリンク

米軍オスプレイの墜落について質問(衆院予算委)

議事録

○赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢です。
 米軍オスプレイの墜落について質問をいたします。
 先月の十三日、沖縄本島北部の名護市安部の浅瀬に米軍普天間基地所属のオスプレイが墜落、大破をいたしました。機体構造の欠陥が指摘されてきたオスプレイの墜落が現実のものになったわけです。県民の不安が高まっております。
 しかも、それだけではありません。事故機からの救難要請を受け、現場上空を旋回していた別のオスプレイが、普天間基地に戻ろうとしたときに胴体着陸をいたしました。オスプレイが飛行を再開した先月十九日、今度は嘉手納基地で、P8哨戒機が機体を牽引する装置と衝突する事故を引き起こしました。ことしに入ってからも、伊江島の葉たばこ畑に米兵がパラシュートで降下したり、うるま市伊計島では、米軍ヘリが農道に不時着し、油漏れを起こし、熱風で農作物を焦がす事故も引き起こしています。
 一体、米軍の安全対策はどうなっているのか、こういう怒りの声が上がっています。
 総理は、先日、施政方針演説を行い、冒頭で日米関係に触れました。これまでも、今も、そしてこれからも、日米同盟こそが我が国の外交・安全保障政策の基軸である、これは不変の原則、このように強調し、早期に訪米をして、トランプ新大統領と日米同盟をさらに強化する考えを示しました。
 一方、県民が今大きな不安と怒りを感じているオスプレイの墜落には一言も触れていませんでした。
 総理に伺いますが、施政方針でなぜこのことに触れなかったんですか。

○安倍内閣総理大臣 オスプレイを含め、米軍機の飛行安全の確保は、米軍が我が国に駐留する上での大前提であります。したがって、政府として、米軍機の安全確保に万全を期していくことは、従来からも、そして今後とも、変わることはない方針であります。
 このため、施政方針演説において触れることはしませんでしたが、重要なことは実行であると考えております。
 先般のオスプレイの不時着水事故に際しては、深夜ではありましたが、直ちに防衛大臣から在日米軍司令官に対し、直接、飛行停止を強く申し入れたところであります。
 飛行再開に当たっては、米軍だけの判断ではなく、日米で協議を行い、日本政府においても、防衛省・自衛隊の専門的知見及び経験に照らして、再発防止について有効な対策等がとられているかについて独自に分析を行いました。また、今後とも空中給油訓練は陸地から離れた場所でしか行わないということも確認をしております。
 引き続き、事故の再発防止を強く求めていくとともに、米側と連携を密にして、安全確保に万全を期していきたいと考えています。

○赤嶺委員 私、オスプレイの墜落について施政方針演説でなぜ触れなかったかと問いましたら、今の総理の答弁は、いや、米軍機の安全の確保については、過去も、今も、将来もきちんとやっている、問題は触れることではなくて実行だ、このようにおっしゃいました。
 実行されていないから、安全を確保するということを繰り返し言いながら、米軍機の安全確保について県民が不安を持っているから、恐怖を持っているから、だから触れるべきだと。問題は実行だというのは、全然、言葉と実態が合わないと思います。やはり、触れるべきものを触れなかった、そういうことを強く指摘しておきたいと思うんです。
 事故直後の地元紙の報道を委員の皆さんに配付させていただきました。当時の状況を思い起こしていただきたいと思います。胴体や翼がばらばらになって、大破したオスプレイが海に浮かんでいます。
 墜落現場は、安部の集落からわずか八百メートルでした。事故現場には規制線が張られ、名護市長も、立ち入りを求めたにもかかわらず、認められませんでした。極めて重大な事故でありました。ところが、政府は、先ほどの総理の答弁にもありましたが、いまだに、不時着水、このように言い続けております。
 総理に伺いますが、これだけ機体が大破したにもかかわらず、一体、何を根拠にして不時着水と言い続けているんですか。

○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 今回のオスプレイの事故につきましては、米側から、事故機の機体は最低限姿勢を制御できる状態であり、パイロットが意図した地点である浅瀬に着水したという説明を受けたところでございます。
 また、不時着水時の状況は、着水するまでブレード、羽根でございますけれども、羽根以外は損傷がなかったものの、着水時においてブレードが水面と接触し、機体が着水したときの衝撃によりかなりの損傷が生じたというふうに考えられるところでございます。
 このようなことから、我々は不時着水というふうに表現をいたしておるところでございますが、いずれにせよ、引き続き米側において事故原因について調査中でございますので、詳細な情報が得られ次第、沖縄を初めとする地元の皆様にも、事故の原因と安全対策についてさらに丁寧に説明してまいりたいと考えておるところでございます。

○赤嶺委員 今の態度、本当に恥ずかしいですよ。この写真を見て、大破したオスプレイを見て、それでも不時着水と言い張る、その神経が私にはわかりません。
 機体をコントロールできていたら、なぜキャンプ・シュワブにまで行ってそこで着陸しなかったのか。すぐ近くですから、そういう疑問が起きます。また、オスプレイというのはヘリモードに切りかえて着陸するものです。それでは、なぜ固定翼モードからヘリモードに切りかえて着水しなかったのか。固定翼モードのままの状態であります。
 そうしたことができないほど機体のコントロールができない状態になっていたということではありませんか。コントロールができていたというのは、アメリカの一方的な説明を繰り返しただけにすぎないんじゃないですか。やはり墜落じゃないですか、総理。

○深山政府参考人 今回、なぜ固定翼モード、羽根を前方に向けたままでおりたのかというお尋ねであるかと思いますけれども、ブレード、羽根自体が空中給油の際に破損したという事情がございまして、いわゆる固定翼モードで不時着水したものと承知をしておるところでございます。
 また、コントロールできていたのかという問いでございますけれども、乗組員は、一人の方はまだ入院中でございますが、ほかの方は既に退院、復帰されていると聞いております。そのようなことからいたしましても、我々といたしましては、コントロールを、最後まで機体を制御できていたということについては理解できるものと考えておるところでございます。

○赤嶺委員 防衛省自身が、事故が起きたときの第一報、最初の自治体への通報では、墜落、このように連絡をしていました。沖縄防衛局が名護市に送った第一報は、「オスプレイの墜落の可能性について」、こういうタイトルになっています。ところが、第二報からは不時着水に変わりました。なぜ墜落から不時着水に変わったんですか。

○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 事故が起きたという第一報を受けたときに、私ども、これは沖縄防衛局から御連絡したところでありますが、必ずしも詳細を把握できない状況でございました。しかし、情報は速やかに関係自治体にお知らせするのは当然でございますので、その段階でわかったことについてお知らせをいたしたところでございます。
 その後、米軍等と状況について聞き、そうしたことも踏まえまして、先生がおっしゃったような表現に改めたところでございます。

○赤嶺委員 一度は、オスプレイの事故が起きたら墜落だというぐあいに報告して、アメリカから説明されたら不時着水と言い直した。しかし、現場を知る人たちは、これが何で墜落でなくて不時着水なんだ、余りにも見ていることと政府が言っていることは違い過ぎる、こういう疑問がずっと広がっている。納得できる説明ではない、このように思います。
 配付した報道記事にありますように、米軍のニコルソン司令官は、今度の事故について、墜落について、住宅や県民に被害を与えなかったことは感謝されるべきだ、このように発言をいたしました。しかも、沖縄県によると、知事はパイロットに対して勲章を上げるべきだとまで述べていたそうであります。占領意識丸出しの発言です。
 総理は、この発言を聞いて、米側に抗議いたしましたか。

○稲田国務大臣 今回のオスプレイの事故については、国民がその安全性について高い関心を持っているオスプレイの事故でありますので、大変遺憾に思います。
 そして、先ほど総理も御答弁いただきましたように、すぐさま私から、夜中でしたけれども、マルティネス司令官に対して、強い遺憾の意と、そして、マルティネス司令官からは今回の事故が機体の事故ではないという説明でありましたので、しっかりとその事故の状況について、さらには再発防止策について万全を尽くしていただき、そして、全てのオスプレイの飛行停止を申し入れ、一時飛行停止がなされたところであります。
 その後、防衛省としても、このオスプレイの飛行及び空中給油の停止措置の再開に当たって、米側だけの判断でなくて、日米間で原因究明と対策について集中的に協議を行い、米側から得た情報等を踏まえ、今般の事故を引き起こした要因についてあらゆる可能性を分析した上で、防衛省・自衛隊の専門的知見及び経験に照らして、それらの要因を幅広く網羅する再発防止策を米側が全て実施したことを確認いたしました。
 そして、先ほど来、不時着かどうかというお話がございましたけれども、防衛省からも、オスプレイの空中給油再開について、事故の原因分析の結果を発表しているところでございます。
 その中で、今回の事故では、給油が終了し、オスプレイのプローブとMC130の給油ホースを分離させた後に、給油ホースとオスプレイの右のプロペラが予期せぬ接触を起こしてしまい、ブレードが損傷した、そして、オスプレイのブレードの損傷が回転するうちに大きくなり、飛行が不安定な状態となったため、搭乗員は訓練地点から相対的に距離が近いキャンプ・シュワブを目指し飛行を続けたが、パイロットは搭乗員の安全確保と飛行を継続することを両立させながら地元への影響を極小化するために海岸沿いを飛行していたが、途中、安全な飛行を続けることが困難であることを認識し、浅瀬に不時着水することとしたというふうに、その当時の状況を分析しているわけであります。
 ただいまの委員の質問に関しては、私も、ニコルソンさんにお会いしたときに、やはり、沖縄県民の心情、そういったものを考慮して発言をしていただきたいということを申し上げたところでございます。

○赤嶺委員 防衛大臣、後の質問まで今答弁書を読み上げたら、後で答弁することがなくなってしまいますよ。逐次聞いていきますからね。長々と答弁して、聞かれたことの答えは最後のわずか数秒です。
 私が聞いたのは、いわば、住宅や住民への被害を避けるためにパイロットは海に不時着水した、これは勲章ものだ、こういうことを言っているわけですよ。これだけ県民に不安を与えて、恐怖を覚えさせておいて、いわば、沖縄県知事はパイロットに勲章を上げるべきだ、こんな言い方が許されますか、絶対に。これはまさに占領者意識をずっと引きずってきている。
 沖縄の知事だけに言ったんじゃないんですよ。ニコルソン司令官は、同じ日の記者会見でも、沖縄の人たちを守るため、浅瀬に着陸しようとしたのはよい判断だった、パイロットの判断を称賛する発言を行っています。
 私はこの発言を聞いたときに、ああ、また同じことを米軍の司令官が発言していると思いました。二〇〇四年に沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落、炎上したときにも、在日米軍司令官が、人のいないところを選んだパイロットの判断を、すばらしい功績、このように称賛いたしました。
 米軍の体質なんです。やはり、沖縄は自分たちの占領地だ、このように思っている。だから、住民はパイロットがやったことを感謝すべきだと。事故を起こしたら、米軍はすぐに、感謝すべきだ、こういう言葉が反射的に出てくる。
 このような発言は絶対に許せないではありませんか、総理。

○安倍内閣総理大臣 先ほども大臣から答弁をさせていただいたように、米側には、沖縄の県民の気持ちを配慮して発言していただきたい旨申し入れております。

○赤嶺委員 浅瀬に落ちたという、この浅瀬ですが、これについての認識も持つ必要があると思うんですよ。
 さっきの防衛大臣の答弁の中に、わざわざ、被害を極小化するために浅瀬に落ちたということを答弁いたしましたが、私も現地に行っております。手つかずの美しい自然の砂浜が残されているところです。ふだんは、お年寄りが散歩をしたり、地元の子供たちが普通に遊びに行くところです。あのオスプレイが墜落した時間帯、いざりをするために、大潮の日にはみんなが、集落の人々が集まってくる場所ですよ。自宅用の魚やハマグリ、タコなどをとるために、みんなが利用している場所であります。
 墜落事故を受けて、安部区が出した要請書にはこのように書かれています。この海岸は、ふだんから多くの区民が利用し、世代を超えて守り、その恩恵によって命をつないできた区民にとって、本当に大切なところです、このように言っているんですね。
 だから、被害を極小化するためにあの浅瀬を選んだという認識が間違いなんですよ、防衛大臣。あの浅瀬は、住民の人々にとってかけがえのない場所であるし、遊び場であるし、集落の一部なんですよ。集落と切り離した海ではないんですよ。
 極小化するために浅瀬を選んだというこの答弁、撤回すべきじゃありませんか、防衛大臣。

○稲田国務大臣 先ほども申し上げましたように、防衛省の知見で米側からの情報等を分析した結果、パイロットは、搭乗員の安全確保と飛行を継続することを両立させながら、地元への影響を極小化するため海岸沿いを飛行しておりましたけれども、途中、安全な飛行を続けることが困難であることを認識し、浅瀬に不時着をすることとしたということでございます。

○赤嶺委員 政府も判断したといいますから、今度は、その政府の判断のあり方について問うていきたいと思います。
 飛行再開をめぐる政府の対応であります。
 米軍は、墜落事故から六日後の先月十九日、オスプレイの飛行を再開し、政府はこれを認めました。
 事故原因の調査は継続中であるにもかかわらず、なぜ認めたんですか。さっきの長々とした答弁はいいですからね。なぜ認めたんですか。

○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 十二月十九日の飛行再開についてのお尋ねでございますけれども、不時着水後、米側が機体の安全性につきましては点検、確認を行ったという説明を受けております。その間におきまして、機体においては問題が発見されなかったと。
 そうしたことを踏まえまして、政府といたしましても、その機体点検等につきまして理解ができるところであるということで、飛行再開について理解ができるということを申したところでございます。

○赤嶺委員 飛行再開に当たって防衛省が公表したプレスリリースがあります。委員の皆様に配付した資料の中にも入っておりますが、それによりますと、今回の事故原因について調査は継続中としながら、専ら空中給油中に事故機のプロペラが給油ホースに接触したことによるもので、機体構造が原因ではない、このように結論づけております。しかし、なぜ接触に至ったのか、そこにオスプレイ特有の問題はなかったのかという肝心の問題が全くはっきりしません。
 防衛大臣に伺いますが、接触事故が起こった具体的な地点と高度を示していただけますか。

○深山政府参考人 今回の事故が起きた地点と高度ということでございます。
 現在までのところ、米側から得た情報によりますと、今般の事故は、沿岸部から約四十海里、これはキロに直すと七十四キロでございます、離れた沖縄北東の公海上の訓練空域内において発生したものと承知しております。
 お尋ねの経度、緯度、高度といった詳細な情報については、米側が事故調査中であるため明らかになっておりませんが、米側から詳細な事故原因について情報が得られた際にはまた御説明をしてまいりたいと考えておるところでございます。

○赤嶺委員 経度、緯度、高度というのは、事故が起きた場合に、どこで接触事故が起きたのかという事故原因を究明する上で一番基本的なことだと思うんですね。そうしたことへの説明も全くないのに飛行を再開したということですか。

○深山政府参考人 今御答弁申し上げたとおりでございますけれども、事故の具体的な場所につきましては、先ほど申し上げましたように、沿岸部から四十海里、約七十四キロ離れた沖縄北東の公海上の訓練空域内という情報を得ておりますが、これ以上の情報はまだ得ておりません。

○赤嶺委員 緯度、経度、高度について全くわかっていない。
 プレスリリースではこう言っています。給油ホースを分離させた後に、乱気流等により、給油ホースとオスプレイのプロペラが接触したとしています。
 乱気流の発生を政府はどのように確認したんですか。

○深山政府参考人 御指摘の十二月十九日のプレスリリースによりますと……(赤嶺委員「乱気流が発生したと書いてあるでしょう」と呼ぶ)乱気流、ちょっとお待ちください。(赤嶺委員「いや、時間が決まっているんだから」と呼ぶ)はい。乱気流等、そうした気候の原因により接触事故が発生したというふうな説明を受けているところでございますが、その後も引き続き調査を行っているところでございます。
 一月五日の我々が出した報告では、そうしたことも含め、人的、環境的要因があることが考えられ得るという報告もあわせてさせていただいたところでございます。

○赤嶺委員 要するに、乱気流が原因だといって最初のプレスリリースに書いてあるわけですよ。では、その乱気流の発生というのは政府はどのように認識したんですかといったら、全く答えられない。答えられないのに、文書には乱気流と書いてある。
 私も、先日、安部の公民館で当時の状況を伺ってきました。オスプレイが墜落したその日の晩は、満月で、海はなぎで、本当に静かな夜だった、そこにオスプレイの騒音が長く続くんですが、非常に静かな夜で、だから、海上からどれぐらいの高さを飛んでいたのか、乱気流だというのはにわかに信じられない、これが聞きたいんだ、このように言っておりました。
 政府は、確認するすべを持たないまま、乱気流が原因だった、こう言っているわけですね。
 気象庁長官に伺いますが、気象庁は、航空関係機関に対して、国内や日本周辺の悪天候に関する予報情報を提供していると聞いています。事故当時に乱気流の発生は予測されておりましたか。

○橋田政府参考人 ただいま、乱気流あるいはそれを発生するような悪天候の予想についてのお尋ねがございました。
 委員今言っていただきましたように、気象庁では、国際民間航空機関の定めによりまして、中程度以上の乱気流、具体的には、航空機の姿勢や高度はかなり変動するが制御は可能である、航空機の速度に小さな変動があり、歩行は困難で、体がベルトで締めつけられる、また、固定していない物体は移動するといった程度以上の乱気流が予想される場合、航空関係機関に対して情報提供をするとなっております。
 お尋ねがありました当時、昨年の十二月十三日二十一時ころの沖縄本島周辺の上空では、そのような中程度以上の乱気流を伴う可能性のある悪天候は予想されておりませんでした。
 なお、局地的に発生する弱い乱気流、あるいは航空機の運航に伴って発生する人工的な乱気流については、気象庁では予想の対象としておりません。

○赤嶺委員 要するに、予測していなかったわけですよね。
 それとあわせて、民間航空機が一定のレベル以上の積乱雲を確認した場合には、気象庁に報告する仕組みが設けられていると聞いています。民間航空機からそのような報告はありましたか。

○橋田政府参考人 お尋ねのありました民間航空機からの報告でございますが、これにつきましても、国際民間航空機関の定めによりまして、先ほど申し上げましたように、中程度以上の乱気流に遭遇した場合はその旨を気象庁に報告するということとなっております。
 その当時、そのような報告はございませんでした。

○赤嶺委員 気象庁は、乱気流の発生の予測も、それから民間航空機からの報告もなかった。しかし、なぜか政府のプレスリリースには乱気流が発生したことによってと書かれている。やはり、ここからいろいろなことを考えなきゃいけないと思うんですよね。説明責任がありますから、なぜ乱気流が起こったのか。
 防衛大臣に伺いますが、二〇一二年六月に、アメリカのフロリダ州でオスプレイの墜落事故がありました。二機のオスプレイで編隊飛行をしていたときに、後続機が先行機のつくり出す後方乱気流に巻き込まれて起きた事故でありました。風の影響を受けやすいオスプレイの構造的欠陥は、従来から指摘をされている問題です。
 今回の事故は、MC130という特殊作戦用の輸送機からオスプレイが空中給油を受けていたときに起こった事故であります。MC130による後方乱気流の影響で、オスプレイが機体のバランスを崩し、給油ホースに接触した可能性はないのですか。
 防衛大臣に答えさせなさいよ。

○深山政府参考人 お答え申し上げます。
 後方乱気流の御指摘がありましたが、後方乱気流は全ての航空機の飛行中に発生するものであるというふうに承知しております。また、MC130による給油はオスプレイだけでなく他の機種も行っているところでありまして、MC130自体が特に後方乱気流が大きいというようなことがあるとは承知しておりません。また、他のヘリコプターもMC130から給油を受けているという事実もあるところでございます。
 いずれにいたしましても、原因を引き続き調査中でございますので、それが明らかになりました時点でまた御報告いたしたいと思います。

○赤嶺委員 今の答弁によりますと、MC130は乱気流は起こす、しかし、ほかのヘリは安全に空中給油を受けていると。だったら、オスプレイの機体に原因があったのかな、こういう疑問になりますよね。
 本当に乱気流は起こっていたのか、仮に起こっていたとしても、それが気象条件によるものか、それともMC130によるものか。こうした判断は、事故機とMC130のフライトレコーダーやボイスレコーダーの検証、搭乗員への事情聴取などを行わない限りできないはずです。
 防衛省は、そうした具体的な情報の提供を米側から受けているんですか。
 委員長、今度は防衛大臣に答弁させてください。

○稲田国務大臣 先ほど来答弁いたしておりますように、今委員が御指摘になったように、事故当時の天候は、夜間の空中給油訓練を行うために許容される条件の範囲内だったと聞いております。
 今般の事故については、夜間の空中給油という高い技能を要するオペレーションが強風、乱気流といった気象条件下で行われていたという環境要因と人的要因が複合的に重なって発生した可能性があることについて、日米間で見解が一致しているところでございます。

○赤嶺委員 ボイスレコーダーや、そういう乱気流によるものか原因を特定するための操縦士の聞き取り、こういうのはちゃんと日本政府はやったんですか、これを聞いているわけですよ。イエスかノーかで答えてください。

○深山政府参考人 私どもが原因を分析いたしましたのは、米側からの聞き取り、説明を受けてこのような見解をまとめました。
 具体的に今御指摘のあった情報を物として、例えばボイスレコーダーを渡されたというようなことはございません。

○赤嶺委員 要するに、アメリカから言われていることを繰り返しているにすぎないわけですよ。
 海上保安庁はどうですか。日本側の捜査への協力をアメリカ側に要請したと聞いていますが、アメリカ側からの回答はあったんですか。

○中島政府参考人 お答え申し上げます。
 海上保安庁におきましては、情報の入手後、現場の状況確認や機体の一部と思われる浮流物の回収、写真撮影、付近住民からの聞き取りなどを実施しております。
 また、捜査協力につきましては、現在、外務省等とも連携しつつ、日米合同委員会を含むさまざまなルートを通じて協議中であります。
 海上保安庁としても、引き続き、米軍当局の協力を求めつつ、事実関係の確認など所要の捜査を実施してまいります。

○赤嶺委員 つまり、米側は調査をまだ受け入れていないということですか、保安庁長官。

○中島政府参考人 お答えします。
 捜査協力につきましては、現在、外務省等とも連携しつつ、先ほども申し上げましたように、日米合同委員会を含むさまざまなルートを通じて協議中でございます。これらの状況を踏まえまして、個別具体的な状況に応じて適切に判断してまいりたいというふうに考えます。

○赤嶺委員 こんな答弁がありますか。事故が起きたのは十二月十三日ですよ。今に至るも、海上保安庁も捜査できていない、事故原因を特定するボイスレコーダーや乗組員の聴取も行われていない。しかし、政府は、乱気流が原因だとか、環境要因だとか、人的要因だとか、いろいろ言い出しているわけです。
 先ほど総理は、米軍機の訓練に当たって何よりも大事なのは安全だ、このようにおっしゃいました。極めて重大な問題であります。安全を確保して飛行を再開したのか否か、これを防衛省も海上保安庁も調べるすべがないのに安全だというようなことを言っている。
 何で主体的な捜査が行えないんですか。何で事故現場で米軍と共同して捜査を行うことすらやらないんですか。外務大臣、いかがですか。

○岸田国務大臣 事故機の機体の検証をめぐりましては、日米の間において、日米地位協定を初め、さまざまなルールが定められております。
 まず、日米地位協定第十七条におきまして、米軍が施設・区域の外部で必要な警察権を行使することを日本側当局との連絡を前提として一般に認めた上で、その際に従うべき条件、すなわち、そのような米軍による警察権の行使の範囲を当局間の取り決めによって絞り込む、これは日米地位協定第十七条において規定をしています。
 そして、その取り決めですが、日米地位協定第十七条10の(a)、そして10の(b)に関する合意議事録、あるいは刑事裁判管轄権に関する合同委員会合意、こうしたものが挙げられるわけですが、航空機事故に際して、米軍は、秘密保全及び事故原因調査等の目的のために、必要な限度において、それぞれの取り決めの範囲内で、航空機の機体を含む米軍財産の捜査、差し押さえ、そして検証を行うことが認められています。
 そして、先ほど委員の方から御指摘がありました、あの沖縄国際大学の事故の後つくられたガイドラインというものがありますが、このガイドライン、すなわち、施設・区域外で発生した合衆国軍用機の事故に関するガイドラインにおいて、米側が全ての残骸、部分品、物品及び残渣物に対して管理を保持するとされており、これによって、米軍が米軍財産について管理を保持することができる、こういった確認が行われています。
 今回の事故におけるこの対応は、今のルールに従って行われていると承知をしております。

○赤嶺委員 日本側が捜査権も発動できない、事故現場に立ち入ることもできない。海上保安庁が写真を撮ったのは、事故現場に立ち入ってじゃないですからね、上空からですからね。恥ずかしい話ですよ、警察権を持っている当局が。
 外務大臣は、日米地位協定は、あるいはそれに基づくさまざまな取り決めは、米軍の機密事項を守るためのルールだとおっしゃいました。それがルールだといいながら、一番県民の安全を阻害しているルールが日米地位協定じゃないですか。これを抜本的に見直すべきだと思いますよ。
 ここは主権国家かと名護市長はおっしゃっていますよ。事故現場に近づこうとしたら日本の警察が制止したんですよ。そして、事故現場では、米軍が一切立ち入りをさせないのを日本の警察が守っている。名護市長は、ここは名護市だ、ここは沖縄か、ここは日本じゃないのか、このように言っているわけですよ。
 ここが日本でないような状態が平気で行われていて、オスプレイは安全が確認されましたから飛びましたと、事故原因も解明できるすべもないのにそういうことを言っている。極めて恥ずかしい、主権国家にあるまじき事態が今起こっていることだと思います。
 オスプレイの構造的欠陥についてもう一問聞きます。
 オスプレイのプロペラは、ヘリのように垂直離着陸を行う必要があるために、プロペラが非常に大きなつくりになっています。その分、給油ホースとの接触事故を起こす可能性が高いと言われています。
 しかも、オスプレイのプロペラは非常に壊れやすい構造だと専門家は指摘しています。米国防総省の研究所でオスプレイの開発に携わったレックス・リボロ氏は、通常のヘリでホースがローターに当たれば、ホースが切れ、緊急着陸できると。つまり、通常のヘリであれば安全に給油できるということを先ほど深山さんはおっしゃっていましたが、通常のヘリであればホースの方が切れるんですよ。オスプレイのプロペラは非常に繊細で、ホースに当たるとばらばらに壊れてしまう、このように述べています。
 オスプレイのプロペラの強度についてアメリカ側に確認していますか。防衛大臣、お答えください。

○深山政府参考人 オスプレイの羽根の強度というお尋ねでございました。
 現在、この事件に関して、直接強度を米側に確認はいたしておりませんが、オスプレイのブレードは、損傷が起きますと、飛び散って機体自体に当たって機体が傷つくというのを防ぐために、ほうき状に割れていく、そして機体に対する損傷を防ぐ構造であるということは承知しているところでございます。

○赤嶺委員 機体に対する損傷と。オスプレイの羽根が損傷したら、これがコントロールできなくなるのは当たり前じゃないですか、こんなのは。誰が聞いてもわかるようなことであります。
 総理に伺いますけれども、プロペラの強度からいっても、MC130の後方乱気流に巻き込まれた可能性からいっても、オスプレイの機体構造に起因した事故であった可能性、これを否定することはできないんじゃないですか。

○深山政府参考人 まず事務方から事実を申し上げますと、オスプレイがこのような形で給油中に事故を起こしたことは今回が初めてであるというふうに米側から説明を受けているところでございます。
 したがいまして、累次申し上げておりますとおり、まだ米側において原因の調査中でございますから、それを待つべきではありますけれども、必ずしもオスプレイであったからということ、オスプレイの機体構造の問題だと言えるものではないというふうに考えておるところでございます。

○赤嶺委員 委員長、私、先ほどから答弁者を指名しておりますが、一向に委員長は応じてくれません。
 私が今聞いているのは、そういうMC130の後方乱気流か、あるいはオスプレイの構造的欠陥に起因するものなのか、これまでのやりとりを聞いて、それは否定できないんじゃないか、否定する根拠はないんじゃないかということを総理に聞いているわけです。総理、いかがですか。

○安倍内閣総理大臣 原因の技術的な解明、究明等についての認識についてでございますから、これは当然局長からお答えをさせていただいたわけでございます。
 例えば、飛行の再開に当たっては、米軍だけの判断ではなくて、日米で協議を行い、日本政府においても、防衛省・自衛隊の専門的知見及び経験に照らして、再発防止について有効な対策等がとられているかについて独自に分析を行ったわけでございます。
 いわば、これについてはそうした観点から分析を行ったということでありまして、そして、それと同時に、またこれは繰り返しになるわけでありますが、今後とも空中給油訓練は陸地から離れた場所でしか行わないことも確認をしているところでございまして、引き続き事故の再発防止を強く求めるとともに、米側と連携を密にして、安全確保に万全を期していきたいと考えております。

○赤嶺委員 全く私がるる今出した疑問に答えるものになっていません。大体、事故調査報告もないのに事故原因なんてオスプレイにないと決める方がおかしいじゃないですか。そんなのは科学的な態度じゃないですよ。
 今総理は、陸地の上空では空中給油訓練は行わないということでありました。
 そこで、配付資料を見ていただきたいと思いますが、ここに空中給油の写真が二枚出ています。名護市の基地対策室が撮影したものであります。海の上空でしか実施しない、そういう答弁でありましたが、陸地の上空でやっております。
 これは名護市長からも、自分たちの名護市役所の庁舎の上で、写真も、一枚目は、空中給油機が二本の給油ホースを出しながら飛行している写真です。二枚目の写真は、空中給油機と並行して飛行している戦闘機の写真です。屋上に上がったときには給油ホースは戦闘機から外されていましたが、最初に目撃したときはまさに空中給油を行っていたそうであります。
 海の上空でしか実施しないことを確認していると言いますが、総理、陸地の上空でもやっているではありませんか。

○深山政府参考人 お配りいただきました写真に基づくことでございますが、まず我々が知るところを申し上げたいと思います。
 御指摘の写真につきましては、昨年十二月十六日でございますが、当方の若宮防衛副大臣が名護市を訪問させていただいた際に、稲嶺名護市長から、今、赤嶺先生がおっしゃいましたように、名護市上空において、これは二〇一五年十月と書いてありますが、写真を撮影したものだということで提示をいただきまして、我々も承知しているところでございます。
 これにつきましては、現在、米軍に関してこのようなことがあったのかということについて問い合わせをしているところでございます。
 一方、今、空中給油をしていたというお話でございましたが、これはこれに写っていないところのことかもしれませんが、これを見る限りは、下段の方も、相当距離がありまして、これは空中給油をしていた写真とまでは言えないのではないかというふうに我々としては考えております。
 ただ、総理から申し上げたとおりでございますが、米軍からは、今後とも空中給油訓練は陸地から離れた海域の上空でしか実施しないという説明を受けているところでございます。
 引き続きまして、この件につきましては、状況の確認を続けたいと思っております。

○赤嶺委員 確認はしていないのに、これは空中給油をしている写真ではない。私も、している写真だとは言いませんでしたよ。空中給油をした直後の写真だ、空中給油をしている現場については名護市の基地対策課の職員が目撃していると。だから、あなた方はアメリカに問い合わせせざるを得ないじゃないですか。そういうのに、陸上の上空ではやらないというような答弁だけをひとり歩きさせるのはやめていただきたいと思います。
 パネルを見ていただきたいと思います。
 これは、辺野古の新基地と計画される飛行ルートを示したものであります。楕円形の二つのルートは有視界飛行を行う際のルートです。内回りが転換モード、外回りが固定翼モードです。一方、悪天候の場合は、管制塔の誘導に従って計器飛行を行います。黒い色の直線がそのときのルートであります。
 辺野古の新基地建設予定地から真っすぐ黒い線が延びているところが、今度墜落が起こった安部集落です。まさに、事故現場というのはこの計器飛行ルートの直下に当たるわけです。
 総理、伺いますが、墜落現場の上空をオスプレイが日常的に飛行する、そういう基地の建設を今政府は推し進めようとしている。辺野古が唯一だ、危険性の除去のためには辺野古が唯一だといいながら、その辺野古のすぐ近くで、いわば飛行ルートの直下で今度の墜落事故が起きている。こういう認識はお持ちですか。

○稲田国務大臣 繰り返しになりますけれども、空中給油訓練は陸地から離れた海域の上空でしか実施せず、陸地の上空では実施しないこと、これは私もマルティネス司令官そしてニコルソンさんに直接確認をしているところでございます。
 そして、辺野古移転については、普天間の飛行場の危険性を除去するための、そのための唯一の解決策ということでございます。

○安倍内閣総理大臣 これは、今まで累次御説明をしてきているとおり、普天間飛行場の代替施設は、滑走路を二本のV字形に配置しまして、通常の飛行ルートが海上になるように計画をしております。これは、平成十八年に地元の名護市及び宜野座村とも合意をし、近隣の集落上空の飛行ルートを回避するため、それまで一本の滑走路であったものを変更し、米側と協議して合意をしたものであります。
 政府としては、米軍機の飛行に際して、安全面の確保が大前提であります。引き続き、周辺の方々の懸念に応えて、住民の皆様の生活や環境への影響を最小限とするよう努めるとともに、あらゆるレベルで地元の方々との対話を継続していく考えでございますが、現在の普天間飛行場はまさに住宅地の真ん中にあるわけでございます。それを今回辺野古に移転し、繰り返しになりますが、V字形の滑走路をつくることによって陸上ではなくて海上を飛行するようになっていくわけでございますし、騒音も大幅に軽減されることになるわけでございます。

○赤嶺委員 陸上を飛んでいるこの図を示されて、海上を飛ぶことになりますと。よくそんな答弁ができると思います。
 危険な普天間基地は閉鎖、撤去して、危険な辺野古基地もつくらない、こういうことを強く求めて、質問を終わります。

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参考資料

パネル 辺野古新基地の飛行ルート

委員会配布資料

委員会配布資料データ 名護市役所上空で空中給油訓練を行っていた米軍機

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