7月15日の衆院安保法制特別委員会で採決前に質問に立った日本共産党の赤嶺政賢議員は、イラク派兵の実態を記録した政府文書がいまだ「黒塗り」でしか国会に開示されていないことを指摘し、怒りを込めて審議継続を求めました。
「文書をいつ国会に提出するのか」との赤嶺氏の質問に対し、中谷元・防衛相は「全面開示できるように準備している。理事会の決定に従いたい」と答弁。赤嶺氏が「理事会を開き、審議を継続すべきだ」と指摘すると、傍聴の議員から共感の拍手が起こりました。
審議は一時中断。与野党理事が緊急協議した結果、浜田靖一委員長は「資料は出させる。いま防衛省が対応している」と明言しました。与党理事の一人も「今持って来させる」と発言しました。
赤嶺氏は、戦争法案がこれまでの「非戦闘地域」の枠組みを取り払うものであり、イラク派兵の関連資料は「審議の大前提だ」と強調。「黒塗り」文書を提出したことについて「国会に情報を隠ぺいするやり方だ」と批判し、陸上自衛隊「行動史」とともに、航空自衛隊のイラク派兵関連報告書についてもただちに提出するよう重ねて求めました。
さらに赤嶺氏は、「資料提出もされず、審議は尽くされていない」として、委員会審議継続の動議を提出。浜田委員長は資料提出を確約したにもかかわらず、理事会も開かないまま動議を即刻否決し、質疑終局に踏み切りました。
傍聴席から「そんなこと許されるか」といった怒声が一斉にあがる中、議場は混乱したまま法案の強行採決になだれ込みました。
防衛省は採決が強行された15日の委員会後になって、赤嶺議員の国会事務所に全面開示した「イラク復興支援活動行動史」を提出しました。(しんぶん赤旗 2015年7月16日)