日本共産党の赤嶺政賢議員は6月22日の衆院安保法制特別委員会の参考人質疑で質問に立ち、政府内で憲法解釈を担った経験をもつ2人の元内閣法制局長官を中心に、戦争法案に対する見解をただしました。
赤嶺氏は、安倍内閣による今回の憲法解釈の変更が従来の政府の論理からは説明がつかないものだと指摘しました。
第62代長官の宮崎礼壹(れいいち)氏は「ご指摘の通りだ」と表明しました。第61代長官の阪田雅裕氏は、憲法が交戦権を否認しているため「必要最小限度」の反撃しか認めてこなかったとした上で、「集団的自衛権の行使が限定的であっても、交戦権との関係では戦争に勝つために『最大限』の実力行使をしなければならないのではないか。一体何のための『必要最小限度』なのか」と述べ、憲法の規範性がなくなることに懸念を示しました。
さらに赤嶺氏は、自国の「武器等防護」の規定を、戦争法案で米軍等にまで拡大して適用する点について質問しました。
宮崎氏は、政府が同規定を「受動的・限定的」と説明してきたのは、武器等の破壊を事前に回避し、追撃や報復はしないとしてきたためだと指摘。米軍に事前の回避義務や報復禁止などの条件を課さなければ「容易に違憲の武力行使に至る恐れがある」と強調しました。(しんぶん赤旗 2015年6月23日)