衆院憲法審査会は５月７日、今国会で初めての自由討議を行いました。９条破壊の解釈改憲とともに、明文改憲をねらう自民党が改憲原案策定に向け、論点の絞り込みをねらって提案したもの。日本共産党の赤嶺政賢議員は「国民の多数は改憲を求めておらず、改憲のための憲法審査会を動かす必要はない」と強調しました。
自民党の憲法改正推進本部長を務める船田元議員は、緊急事態条項、環境権などの新しい人権、財政規律条項の三つを優先すべきテーマとしてあげ、改憲原案の取りまとめを進める意向を表明。特に、緊急事態条項の創設については「統治システム整備の基本だ」と述べました。
また、憲法９条について、船田氏は「早く改正したいし、それが（改憲の）大きな肝だ」としながら、「各党が関心事項としてあげているところから議論をはじめる」と述べました。
一方、赤嶺氏は「国会は憲法の諸原則と社会・政治とのかい離を追及し、憲法に引き戻す役割を発揮すべきだ」と主張しました。
赤嶺氏は、集団的自衛権行使容認の「閣議決定」、日米ガイドライン（軍事協力指針）の改定などによって、「憲法と日米安保との矛盾が頂点に達しようとしている」と指摘。選挙で示された沖縄県民の民意を無視して米軍新基地建設を進める安倍政権のやり方を「日本の民主主義制度を根底からおびやかし、憲法の核心を骨抜きにするものだ」と批判しました。（しんぶん赤旗 ２０１５年５月８日)