岸田文雄外相は3月26日の衆院安全保障委員会で、米軍機による民間空港での低空通過(ローアプローチ)訓練について、日米地位協定5条を根拠に「認められる」との見解を示しました。日本共産党の赤嶺政賢議員への答弁。
屋久島空港(鹿児島県)での同訓練について、政府は2010年、「地位協定上許容されていない」(当時の岡田克也外相)と答弁していましたが、一転して後退させました。
同空港では、06年頃から嘉手納基地所属MC130特殊作戦機による夜間の低空飛行訓練が問題になってきました。昨年10月にも同訓練によるとみられる飛行に関する苦情が防衛省に寄せられています。
岸田外相は「ローアプローチ飛行であっても、5条にいう『出入り』を前提とした慣熟訓練は認められる。これが考え方だ」と述べました。
赤嶺氏は、「これからは他の民間空港でも認めるということか。訓練自体をやめさせるべきだ」と強調。外相は「原則として空港当局との事前調整は行われるべきだ」と述べ、通告があれば問題ないとの姿勢に終始しました。
また、今年1月1日付の西日本新聞で、米軍が九州南部の薩摩半島にある低空飛行訓練ルートの存在を認めたと報じられた件で、外務省の鈴木秀生大臣官房参事官は「米軍の運用上の問題で、承知する立場にない」と答えました。(しんぶん赤旗 2015年3月31日)