日本共産党の赤嶺政賢議員は3月3日の衆院予算委員会で、沖縄県名護市の米軍基地(キャンプ・シュワブ)ゲート前で抗議行動のリーダーを米軍が拘束した事件について、「憲法で保障された抗議活動に対する不当な介入だ」とただしました。
政府側は米軍から抗議活動排除の要請があったことを認め、岸田文雄外相は「(抗議活動に参加する人たちが設置した)テント撤去の要請があった」と答え、基地との境界線を示す線の引き直しも米側の要請であることを認めました。
事件は、ゲート前で米軍新基地建設反対の抗議行動をしていた沖縄平和運動センターの山城博治氏ら2人が2月22日、米軍の警備員によって身柄を拘束され、刑事特別法違反の疑いで県警に逮捕されたもの。
赤嶺氏は、抗議行動参加者が基地内に立ち入らないよう指示していた山城氏を、米軍警備員が羽交い締めにして取り押さえ、地面に倒れた山城氏の両足を抱えて基地の中に引きずりこんだ現場の様子を紹介。「(山城氏の行動は)故意によるものではなく(逮捕の)要件にならない」「あまりにも不当な身柄拘束だ」とただしました。安倍晋三首相は「捜査中であり、コメントは控える」と述べました。
赤嶺氏は「(不当介入の)前兆があった」と述べ、今年1月上旬、アメリカ国防総省の高官が来日し、抗議活動の排除に向けた対策を米軍幹部と協議し、日本側にも協力を要請したと報道されていると指摘。これを受けた政府の対応をただしました。
さらに赤嶺氏は、2月上旬には抗議行動の最中に基地の米兵が拳銃を抜いて歩く姿が行動参加者に目撃され、現場に危機感が走ったことも示し、「事実を把握しているのか」と追及。中谷元・防衛相は「米軍の活動の詳細は運用上の理由から公にできないと承知している」と開き直りました。
赤嶺氏は厳しく抗議し、「沖縄の戦後史に刻まれた県民の尊厳を回復するための数々のたたかいを引き継ぐ抗議活動を踏みつぶすことなどできない」と強調しました。(しんぶん赤旗 2015年3月4日)