国会質問

質問日:2014年 6月 18日  第186国会  内閣委員会

それでもカジノか 合法化法案、国会で審議入り 赤嶺議員が追及 ギャンブル依存症 激増も

 刑法が禁じる賭博場・カジノを合法化する法案(特定複合観光施設区域整備推進法案)が6月18日、衆院内閣委員会で審議入りしました。日本共産党の赤嶺政賢議員が強く反対しました。

 法案の趣旨説明と質疑を同じ日に行う強引な運営で、赤嶺氏は質問の冒頭、「委員会運営のルールまで踏みにじって強行することは容認できない」と抗議しました。

 カジノ合法化をすすめている超党派議員連盟の会長である細田博之自民党幹事長代行が趣旨説明し、同議連幹事長の岩屋毅衆院議員(自民)、同副会長の小沢鋭仁衆院議員(維新)らが提案者として答弁。赤嶺氏は、法案にあるカジノ利用にともなう「悪影響」という文言は何を指すのかをただしました。岩屋氏は、「悪影響の典型はギャンブル依存症だ」と答弁しました。

 赤嶺氏は、パチンコ店の駐車場の車両に放置された乳幼児の死亡事件が後を絶たないなど、パチンコに起因する依存症問題が深刻であることをあげ、パチンコ依存症の実態をただしました。古屋圭司国家公安委員長は「把握していない」と答えました。

 赤嶺氏は、「パチンコだけでも多くの依存症者がいる。どういう認識でカジノ解禁法案を提出したのか」と質問。岩屋氏は「これまで依存症にたいする調査・対策が不十分だった。(カジノの)納付金で徹底的な対策を行う」と答えました。赤嶺氏は、カジノを開設すれば「依存症患者がぼう大な数になっていく」と指摘し、同法案に反対しました。

【解説】 
“空っぽ法”廃案を

 「カジノ施設については社会に与える問題、リスクについて不安、懸念も大きい。わが国におけるカジノ施設のあり方について、丁寧に議論を深め、国民の理解、信頼を得る必要がある」―18日の衆院内閣委員会で、カジノ議連の細田博之会長はこう答弁しました。

 しかし、現実の行動は、国民の不安や反対など意に介さず、カジノ合法化を押し通す強引な態度です。

 審議を行う時間などない国会会期末に、委員会運営の慣行破りまでして、趣旨説明の当日に質疑を強行したのは、審議に入ったという「実績」をつくり、次の国会での優先度を上げることを狙ったものです。多数をかさにきてなんでもできると、国会を軽視しています。

 法案は、ただ「カジノを合法化する」ということだけを決めるものです。どんなカジノをつくるのか、ギャンブルの害悪を抑えるためにどういう方策をとるのかなどの詳細は、政府の責任で同法施行後1年以内に制定するという「実施法」に先送りされています。

 審議しようにも中身がない欠陥法案で、廃案にする以外ありません。(しんぶん赤旗 2014年6月19日 竹腰将弘記者)

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