日本共産党の赤嶺政賢議員は6月2日の衆院安保・外務両委員会の連合審査で、集団的自衛権の行使容認に向けて政府が与党に示した海上交通路(シーレーン)上の機雷除去の事例について、機雷敷設国に対する戦闘行為そのものだと批判しました。
赤嶺氏は、これまで政府が「武力攻撃の一環として敷設されている機雷の除去は、敷設国に対する戦闘行動と考えられ、憲法で禁止される武力行使に当たる」と答弁してきたことを指摘。安倍晋三首相が「武力行使を目的として戦闘行為に参加しない」と言明しながら、機雷掃海を検討するのは「整合性がない」と批判しました。
山崎和之国家安全保障局審議官は、過去の政府答弁との関係について言及することなく、「国民の生活と安全を守る観点から何ができるかを考えていく」と述べるにとどまりました。
赤嶺氏は、政府の示した同事例がイランによるホルムズ海峡封鎖と、日本への原油供給の途絶が念頭に置かれていることに言及。必要なことは原油の備蓄や同海峡を迂回(うかい)するパイプラインからの確保、エネルギー供給源の分散化などの代替措置であり、「自衛権発動の対象になる問題ではない」と強調しました。
この問題で最も緊張が高まった2012年前後、外務省はイラン側に原油供給が途絶えないよう働きかけを続け、経産省は国家備蓄の放出などを検討していたと説明しました。(しんぶん赤旗 2014年6月3日)