衆院内閣委員会は4月4日、先端医療研究の司令塔となる「日本医療研究開発機構」(日本版NIH)の創設などを盛り込んだ関連法案について、東北大学大学院の大隅典子教授、京都大学の山中伸弥教授らに対する参考人質疑を行いました。
同関連法案は、厚労、経産、文科3省所管の独立行政法人が行ってきた先端医療研究に関する戦略を再編し、予算の重点配分の決定権を新組織に集中。米国の国立衛生研究所(NIH)をモデルに、トップダウンで研究開発を行います。
日本共産党の赤嶺政賢議員は、iPS細胞を開発した山中氏に「イノベーションを生む研究環境整備とはどのようなものか」と質問。山中氏は、研究者が専念できる環境をつくるために、スタッフを支えることが必要だと強調。「私たちの研究所も8割以上が有期雇用だ。きちんと無期雇用を提供できる仕組みが必要だ」と答えました。
また、赤嶺氏は日本版NIHの創設によって、これまでボトムアップ型で行われてきた基礎研究分野の予算が削減されると指摘。「トップダウン型戦略が独り歩きすることは科学の発展にどのような影響をもたらすか」と質問しました。
大隅氏は、ボトムアップ型からトップダウン型への研究費の付け替えが起こっていることを認めつつ、「研究予算全体が足りない」と強調しました。(しんぶん赤旗 2014年4月5日)