安倍内閣が1日に決定した武器輸出推進の「防衛装備移転三原則」で、輸出禁止とする「紛争当事国」の定義を狭め、他国を侵略した国に限定していることが明らかになりました。4月3日の衆院安全保障委員会で日本共産党の赤嶺政賢議員への外務省答弁で分かりました。
新原則では、「紛争当事国」を「武力攻撃が発生し国連安保理がとっている措置の対象国」と定義しています。赤嶺氏が該当国を質問。外務省の山田滝雄参事官は、現時点で該当する国はなく、過去の事例として朝鮮戦争時(1950年)の北朝鮮と湾岸戦争時(1991年)のイラクをあげました。
赤嶺氏は、イラクは紛争の「当事国」に該当するが同国に武力を行使した多国籍軍の参加国は「当事国」に含まれないとして輸出対象になるのではとただしました(図)。山田参事官は「厳格に審査を行う」と答え、否定しませんでした。
赤嶺氏は、憲法の平和主義にもとづくとされてきた「平和国家」の理念が新原則では「国連憲章の順守」に置きかえられたと指摘。「防衛装備の適切な移転は安全保障に資する」と述べられていることをあげ、「武器輸出を禁止から解除、推進へと転換し、戦後の日本のありようを根本から変える重大な決定だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2014年4月4日)