憲法の基本原則を覆し、民主主義を根底から破壊する「秘密保護法案」が26日の衆院本会議に緊急上程され、自民、公明、みんなの各党の賛成多数で可決されました。福島市で開かれた衆院国家安全保障特別委員会の地方公聴会で与党推薦の公述人を含め7人全員が反対や慎重審議を求めた翌日に、これを踏みにじる暴挙です。国会では、日本共産党が断固反対の立場を貫いたほか、民主、生活、社民の各党が反対。与党と法案の「修正」合意をした維新は欠席しました。日本共産党の志位和夫委員長は同日、国会前で開かれた緊急抗議集会であいさつし、「国民の声を恐れての、追い詰められての暴挙だ」と強行採決を批判。本会議後、記者会見し、廃案に追い込む決意を表明しました。
「治安維持法の再来だ」「秘密保護法は戦争への道」。希代の悪法を強行する安倍内閣の〝暴走〟に抗議する市民の声が終日、国会を包囲しました。
秘密保護法案が衆院で審議入りしてからわずか2週間余。法案に反対する国民の声の急速な広がりを恐れた自民、公明両党は、みんな、維新と「修正」合意すると国会審議を一方的に打ち切り、11月26日の特別委員会での討論さえ認めずに採決を強行しました。
自公とみんなによる強行採決に対し、日本共産党や維新を含む野党5党は伊吹文明衆院議長に「多くの国民の間に、不安が高まっている」として、「本会議への緊急上程は認められない」と申し入れ。伊吹議長は自公、みんなや野党5党の書記局長・幹事長を呼んで意見を聴取しました。しかし、自公両党は緊急上程に固執し、数の力で衆院本会議を開きました。
本会議で、反対討論に立った日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は「議会制民主主義蹂躙(じゅうりん)の暴挙であり、わが国の議会政治に重大な汚点を残す」と批判しました。
赤嶺氏は①政府の恣意的判断で「特定秘密」が勝手に決められること②重刑で国民を監視し、取り締まる弾圧立法であること③国民の目、耳、口をふさいで、日本を「海外で戦争する国」につくりかえようとするもの―の3点をあげ、「基本的人権、国民主権、平和主義という日本国憲法の基本原理を根底から覆す」と批判。「違憲の秘密保護法案の成立を阻止するため、広範な国民と共同し最後までたたかう」と決意を表明しました。(しんぶん赤旗 2013年11月27日)