「保護法での主張成り立たず」赤嶺議員
核密約や沖縄返還密約を隠しつづけてきた外務省の現行の秘密指定制度が、外相に内容を秘密にしたまま運用できる仕組みになっていることが、明らかになりました。秘密保護法にもとづく秘密は「行政機関の長が責任をもって指定する」という政府の主張が「全く成り立たない」(日本共産党の赤嶺政賢議員)ことを示すものです。11月19日の衆院国家安全保障特別委員会で、赤嶺氏が指摘し、岸田文雄外相が認めました。
赤嶺氏は、外務省の内規「秘密保全に関する規則」について取り上げ、秘密指定を行うのは誰かと質問。岸田外相は同省の秘密文書が年間数百万単位に及び、「『機密』『極秘』の指定は局部長級、『秘』は課長等が行う」と述べ、自らが指定に関与していないことを認めました。
赤嶺氏は、同規則に「秘密文書の取扱いは厳に『職務上知る必要のある者』に限定する」とあることについて、外相にも秘密の内容がわかる運用実態なのかと追及。同省の山田滝雄参事官は「見せる必要がある場合は(外相に)開示する」と答えました。
赤嶺氏は、防衛秘密についても防衛相が指定するのは個々の秘密文書でなく、「ミサイルの能力に関する事項」などの一くくりの概念だけだと指摘。小野寺五典防衛相は「私が指定するのは『事項』だ」、個別文書の作成・廃棄は「管理者に委任している」として、防衛相の決裁が不要であることを認めました。
赤嶺氏は「大臣にさえ報告せず、中枢官僚だけが引き継いできた核密約の構造そのものだ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2013年11月20日)