沖縄地元紙「琉球新報」が2004年に入手して出版した外務省機密文書「日米地位協定の考え方・増補版」の「秘密指定」について、外務省の山田滝雄大臣官房参事官は「非公表文書を精査して判断していきたい。現時点で答弁は難しい」と述べ、秘密保護法の対象とすることがありうるとの見解を示しました。11月12日の衆院国家安全保障特別委員会で日本共産党の赤嶺政賢議員の質問に答えました。
同文書は、地位協定の運用にあたって外務省が部内用にまとめた手引書で、「秘 無期限」とされているもの。
赤嶺氏は「すでに出版されており、『公になっていないもの』という秘密の要件を満たさないことは明らかだ」と指摘し、同文書を公開するよう要求。森雅子担当相は「非公知性を失ったかどうかの判断は行政機関の長がする」と述べ、公になった文書でも秘密の指定・解除を判断するのは政府裁量によるとの考えを示しました。
さらに赤嶺氏は、米兵犯罪の捜査・公判の手引書である法務省内部資料の国会図書館での閲覧が政府からの圧力を受けて全面禁止となったり、それへの批判が高まると一部公開となったりしてきた経緯を紹介し、批判しました。内閣官房の鈴木良之審議官は、従来から各省庁がもつ秘密については「従前どおりの扱いだ」と答弁。赤嶺氏は「各省庁の秘密は維持され、『特定秘密』制度が加わることで政府の情報隠しの姿勢が強まる危険は重大だ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2013年11月13日)