日本共産党の赤嶺政賢議員は6月4日の衆院安全保障委員会で、海外の緊急事態時に日本人の陸上輸送を認める自衛隊法改悪案について、「自衛隊自身が紛争当事者になりかねない」と批判しました。
赤嶺氏は、緊急事態の中には災害だけでなく、内乱や武力紛争も含まれると指摘。政府は派遣先国の同意を得るとして、紛争の相手国や反政府勢力の同意は要件としていないことを追及しました。小野寺五典防衛相は内乱などが含まれることは「間違いない」と認める一方、紛争当事者の同意については「その国の状況は政府が全体として判断する」と明言を避けました。赤嶺氏は、「一方の当事者の同意を得ないまま領土に踏み込むことになる。派遣自体が敵対行為とみなされ、攻撃対象となるおそれがある」と強調しました。
さらに赤嶺氏は、占領統治下のイラク国内で自衛隊が「広報協力」を根拠に報道関係者を輸送した事例(2004年)をあげ、法案の陸上輸送に該当するかと質問。防衛省の黒江哲郎運用企画局長は「対象になる」と認めました。
赤嶺氏は、自衛隊の派遣が国連憲章違反のイラク戦争につづく軍事占領を支援するものだったことにふれ、「そういう場所に派遣することは危険きわまりない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2013年6月5日)