ソマリアの海賊事件が多発する海域で日本船舶に民間武装警備員の乗船を認める特別措置法案が、5月29日の衆院国土交通委員会で採決され、日本共産党以外の賛成多数で可決されました。
反対討論で日本共産党の赤嶺政賢議員は、2008年ごろから日本を含む各国が軍隊を派遣してきたものの、軍隊のいない海域に海賊が広域化したことをあげ、「軍隊の派遣や民間船舶の武装化では解決しない」と強調。漁民を海賊行為に走らせた外国漁船の違法操業や、有毒廃棄物の不法投棄への対策とともに、国際社会と連携したソマリア再建への本格的な支援が必要だと述べました。
質疑で赤嶺氏は、自衛隊派遣(09年~)と同様に民間武装警備員の導入は、「海賊そのものの根絶を目的としたものではない」と指摘。また、乗船させるのは軍出身者からなる民間警備会社であり、無差別の武器使用や罪のない漁民が殺害された事例も報道されていることを示しました。外務省の山崎和之大臣官房参事官は「警備員の出身地等の正確な情報を得ていない。(殺害事例は)承知していない」と答えました。(しんぶん赤旗 2013年6月4日)