日本共産党の赤嶺政賢議員は5月24日の衆院内閣委員会で、「アジアナンバーワン航空宇宙産業クラスター形成特区」(愛知、岐阜の2県)について、総合特区制度の優遇措置が特定の大企業に集中し、さらに軍需産業の振興につながる危険もあると指摘しました。
赤嶺氏は、特区制度によって減税の恩恵を受けるのはどこかと質問。内閣官房の加藤利男地域活性化統合事務局長は2県に立地する「三菱重工、川崎重工、富士重工、東レの関連工場だ」と答えました。
赤嶺氏は「最大の恩恵を受けるのは“3重工”といわれる大企業だ」と指摘。加藤事務局長は、工場拡張のための緑地規制の緩和でも、同措置が適用されているのは全国で三つの重工業の工場だと述べました。
赤嶺氏は、3重工は日本を代表する軍需企業でもあり、同特区が目指すアジア最大の航空宇宙産業の拠点化には軍用機生産も含まれるのかと追及。加藤事務局長は「民間機か軍用機かは区別していない」と否定せず、今後軍用機生産のための提案があった場合も「国際競争力の強化を図る観点から適切に判断していく」と答えました。
同日、採決された総合特区改定法案の反対討論で、赤嶺氏は「軍用機生産のため、特区の仕組みが活用される危険性がある」と指摘しました。(しんぶん赤旗 2013年5月29日)