赤嶺政賢議員は3月5日の衆院予算委員会分科会で、長崎県の石木ダム計画を取り上げ、同県による検証のやり直しと全国のダム検証のあり方の再検討を求めました。
赤嶺氏は、国のダム検証に関する有識者会議が石木ダムの地権者の審議傍聴を認めなかったことを批判。計画が持ち上がった1962年以降、県が住民をだまして調査に着手し、機動隊約400人まで動員して測量を強行してきた歴史を示し、「沖縄の米軍基地の土地強奪と一緒だ」と指摘しました。
前田武志国土交通相は「つらい思いを地権者にさせてきたと改めて認識した」としながらも、検証作業に理解を求めました。
赤嶺氏は、計画継続を決定した県の報告書が、6時間近くに及んだ地権者との意見交換で出された意見や疑問をわずか5行の箇条書きだけで済ませ、県公共事業評価監視委員会の意見書に書き込まれた「現行計画が代替案と比較して勝るとは考えにくい」などの意見も反映されていないことを指摘。津川祥吾国交政務官は「(幅広い意見を)聞いたけれども、それでおしまいでは検証の考え方にのっとってない」と述べました。
赤嶺氏は、検証主体の長崎県の担当者である土木部長が国交省の出向者で占められてきたことを指摘。「(検証や体制の)あり方を根本から見直さない限り国民をだましたことになる」と批判しました。(しんぶん赤旗 2012年3月8日)