2月17日の衆院予算委員会で「米軍再編」見直しについてただした日本共産党の赤嶺政賢議員。普天間基地問題の解決の道は無条件で撤去する以外にないことが浮き彫りになりました。
リンクする
野田佳彦首相は、「米軍再編」の見直しでグアムへの在沖縄海兵隊移転と普天間基地「移設」を切り離した理由について「こう着状態からの脱却のため」と答えました。赤嶺氏は1996年に日米両政府が普天間基地の返還に合意しながら、新たな基地建設を返還の条件としたため実現しなかったと指摘し、こうただしました。
赤嶺 基地のたらい回し路線は破たんしたということだ。
首相 負担軽減を実行することで県民理解を得る環境を整える。
「負担軽減」とごまかす首相に、赤嶺氏はグアム移転や、移転後に残った基地を統合する「県内移設」という二つの条件はなくなったのかと追及。玄葉光一郎外相は「リンクしている」と述べ、なくなっていないことを認めました。
赤嶺氏は、74年に返還合意しながら実現していない那覇軍港の例を示し、「移設条件付きでは返還は進まない」と批判。米軍基地の無条件での閉鎖・撤去の協議こそすべきだと強調しました。
日本側負担
見直しに伴うグアム移転経費の負担はどうなるのか―。これまでは、日本が60・9億ドルを負担し、うち28億ドルは米国政府に資金を直接提供することになっています。しかし、今回の見直しによって海兵隊移転は8000人から4700人に縮小される見通し。
赤嶺 負担額も削減されるのが当然だ。
玄葉外相 これからの議論になる。
安住淳財務相 今後の話し合いを見守りたい。
まともに答えられない政府。赤嶺氏は、パネッタ国防長官が米議会で「日本政府は非常に寛大で、計画にどのような変更があろうと支援すると言っている」と述べていることをあげ、「負担額は削減しないという同意を(アメリカに)与えたのか」と追及。玄葉氏は「これから議論する」と繰り返すばかりで、アメリカいいなりになる危険性が浮かび上がりました。
日本がこれまでに支出したグアム移転経費はほとんど執行されていません。09年は345億円のうち執行されたのは3%弱。10年は468億円が全く執行されず、11年は149億円が米国に資金移転もされていません。
米国に税金
ところが、来年度予算にはグアム「移転」のための新たな経費が盛り込まれています。
赤嶺 3年間も執行せず残っているのに、なぜ盛り込んだのか。今回の予算計上はおかしい。削除すべきではないか。
田中直紀防衛相 米政府のグアム移転事業へのコミットメント(誓約)は変更がない。
具体的な根拠を説明できない田中氏に対し、赤嶺氏は、政府が同日、消費税増税の「一体改革」大綱を決めたことにふれ、「国民に増税を押し付けながら、米国には精査もせず、湯水のように税金を投入する。国民は到底納得できない」と批判しました。(しんぶん赤旗 2012年2月18日)