防衛省沖縄防衛局による沖縄県宜野湾市長選挙への介入問題で、政府が局長による「講話」要旨を公表したことを受けて、日本共産党の赤嶺政賢議員と笠井亮議員は2月2日の衆院予算委員会でそれぞれ追及。赤嶺氏は「国家権力による選挙介入は明白だ」と批判、笠井氏は「講話の記録がない」とした今回の調査のデタラメぶりを指摘し真部朗局長の証人喚問など徹底究明を求めました。
赤嶺氏は、「国家権力による選挙への介入はあってはならない」という立場なのかと首相を追及。野田佳彦首相は「国民や沖縄県民の誤解や批判を受けかねない。引き続き事実関係を調査し、適切な対応をとる」と答えるにとどまりました。
赤嶺氏が、「あってはならない」という認識ではないのかと再確認しても、首相は同じ答弁を繰り返すだけ。赤嶺氏は「誰が批判しようとしまいと、国家の機関としてはあってはならない選挙介入だ。首相の答弁ではそれがはっきりしない」と批判しました。
笠井氏は、2通目のメールが1月22・23日に田中直紀防衛相の沖縄訪問を調整中と記者会見した翌日の1月18日に送信、局長「講話」は防衛相が沖縄を訪問した日とその翌日に行われたと指摘。防衛相の動向と軌を一にしていたとして、田中氏の関与をただしました。
田中氏は沖縄訪問時に今回の件の報告は「一切なかった」とだけ答弁しました。
さらに笠井氏は「講話」の記録がないと防衛省が説明していることについて、防衛省の訓令を示し、「服務指導の一環」である「講話」の記録は「行政文書」として一定期間保存しなければならないと指摘。「記録が作成されていないことは規則上ありえない」とのべ、「要旨」の公表で「ごまかせると思ったらだめだ」と批判しました。
渡辺周防衛副大臣は「規則にのっとって記録してあるはずとの認識は当然。もう一回確認する」と答弁しました。
笠井氏が防衛省まかせではなく首相の責任で徹底調査を行うよう求めたのに対し、野田首相は「きちんと調査させ国民、国会への説明責任を果たす」と答えました。(しんぶん赤旗 2012年2月3日)