沖縄県民と女性を侮辱する田中聡・前沖縄防衛局長の暴言に怒りの声が相次いでいるにもかかわらず、日米両政府は、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)「移設」のための環境影響評価書を方針通り、年内に提出する意向を相次いで表明しました。
米国防総省は11月29日、一川保夫防衛相が10月、訪日したパネッタ国防長官に評価書の年内提出を伝えたことに触れ、「普天間代替施設の建設に向け日本政府が必要な措置を進めていくことを一川防衛相は確約した」と指摘する異例の談話を発表しました。
野田佳彦首相は30日、記者団に対し、「評価書を提出する準備はしている。襟を正して、緊張感を持って説明し、理解いただけるよう全力を尽くしたい」と表明。藤村修官房長官も同日午前の記者会見で「年内に提出できるよう準備している。今時点で(方針に)変わりはない」との考えを重ねて示しました。
この動きに対し日本共産党の赤嶺政賢議員は、30日の衆院外務委員会で「県民の怒りと不信はもはや修復しがたい」と述べ、普天間基地は無条件撤去以外ないと主張しました。
赤嶺氏は、米軍司令官や政治家、官僚が同様の発言を繰り返しており、県民の犠牲の上に基地を押しつけてきた政府の姿勢が問われていると強調。政府が評価書の年内提出の方針を変えていないことを批判し、「実行不可能な計画にしがみつくのはやめるべきだ」と迫りました。(しんぶん赤旗 2011年12月1日)