日本共産党の赤嶺政賢議員は8月10日の衆院海賊テロ特別委員会で、2008年以来、海賊対策として東アフリカ・ソマリア沖に各国が軍隊を派遣しながら海賊行為の発生件数は逆に増加しているとし、自衛隊派遣をやめるべきだと求めました。
赤嶺氏は、今年の海賊行為の発生件数は177件と昨年同期比で1・6倍、発生地域は遠くインド洋やモザンビーク海峡にまで及ぶと指摘。「軍隊が派遣されていない地域に発生場所が移っただけで、いたちごっこだ」と述べました。松本剛明外相は「広い海ですべてをカバーすることは大変難しい」としつつ、「目の前にある犯罪を取り締まらなくてはいけない」と答弁しました。
赤嶺氏は、大干ばつによる飢饉(ききん)で危機的状況にあるソマリアに対しては、内戦終結と貧困解消など根本的な問題解決で役割を発揮すべきだと主張しました。
赤嶺氏はさらに、ソマリア沖を航行する民間船舶の対応指針=「ベスト・マネージメント・プラクティス」(昨年6月公表)が、18ノット以上で航行していれば海賊に乗り込まれないことや、水面より8メートルを超える高さがある船舶は攻撃を回避できる可能性が高いと指摘していることを紹介。国際海事機関の関水康司次期事務局長が「海軍の力だけでなく船舶自らも防衛能力を高める」必要があると述べていることも示し、海運業界自身の努力を求めました。(しんぶん赤旗 2011年8月16日)