米軍が2012年後半から普天間基地に配備を狙う垂直離着陸機オスプレイ。日本共産党の赤嶺政賢議員は8日の衆院予算委員会で、オスプレイの危険性を示し、配備計画撤回と普天間基地の無条件撤去を求めました。
赤嶺氏は、オスプレイは開発過程で4回墜落し、30人が犠牲になっており、05年の量産開始後も事故が続発している事実を示して迫りました。
赤嶺 事故が繰り返しおこっていることをどう認識しているのか。
北沢俊美防衛相 事故率は他の機種に比べて低い。
赤嶺 (事故率には)開発過程の事故や、空軍の事故を計算に入れていない。アフガンの事故報告書は、要因の一つにエンジン出力の低下をあげている。
「無残に失敗」
さらに赤嶺氏は、飛行中にエンジンが停止しても安全に着陸できるオートローテーション機能の欠如という致命的な欠陥があることを追及。「機能が十分にある」とごまかす北沢防衛相に対し、二つの事実をあげて反論しました。一つは、米国のタイム誌(07年10月)の特集で、米軍内部文書をもとに、オスプレイのオートローテーション機能が断念したと報じていたことです。もう一つは開発にかかわったリボロ主席分析官が、オートローテーションの試験は「無残に失敗」と指摘していることです。
赤嶺 構造上の欠陥は解決されないまま配備がすすめられているのではないか。
北沢 米軍は安全かつ性能の高いものを配備して危険性を除去しようという意図のもとにやっていると認識している。
赤嶺 アメリカに言われたら、それをそのまま沖縄に返している。質問に答えていない。
松本剛明外務相 シミュレーター(模擬訓練装置)を用いて、二つのエンジンが停止した訓練をしていると、米側から説明を受けている。確認しつつも信頼したい。
米側の言い分をおうむ返しに繰り返す政府に対して赤嶺氏は、普天間基地のCH53Dヘリが沖縄国際大学に墜落した事件のあと、日米両国政府が「ヘリは緊急の際にもオートローテーションによって飛行場内に帰還できる」とし、飛行経路を変えなかったことを指摘。「オートローテーション機能さえ持たないオスプレイが墜落する危険がある」と批判し、こう迫りました。
基地は撤去を
赤嶺 危険な基地にオスプレイを配備することは危険きわまりない。辺野古を埋めたてる案も県民が受け入れる余地はない。普天間基地を受け入れる場所などないことははっきりした。
菅直人首相 普天間に比べて、辺野古は密集地域でもないし、トータルで見れば負担軽減になる。
赤嶺 人の少ない辺野古にというのは米国が言いだしたことだ。答弁はすべて米国のおうむ返しだ。辺野古には絶対つくれないし、普天間は撤去以外にない。
(しんぶん赤旗 2011年8月9日)