日本共産党の赤嶺政賢議員は5月20日の衆院外務委員会で、米軍が沖縄県読谷村内の米陸軍トリイ通信施設内の海岸に設置した石積みの工作物を速やかに撤
去させるよう政府に求めました。これは、4月下旬に米軍が地元自治体・住民への事前の連絡なしに重機で長さ100メートルにわたって海岸の砂や石を積み上
げて造成したもの。
赤嶺氏は同海域が県内有数の好漁場であり、漁協組合長から「潮流が確実に変わる。そうなれば、漁獲量が減る」などの
声が上がっていることを紹介。米軍基地内のため国内法が適用されず米軍が無許可で工事を行ったことを批判し、「現場を見てきたが、ズサンな工事で、台風が
来たら一挙に崩れる危険がある。政府は米軍に撤去を要求すべきだ」と迫りました。
防衛省の松本大輔政務官は「読谷村側が漁業への影響調査をするので意見を伺いたい」などと答弁しました。
赤嶺氏は1972年の沖縄返還時に米軍基地の使用条件を定めた「5・15メモ」では、トリイ通信基地の提供水域での「継続的投錨(びょう)、破壊、建設ま
たはいかなる種類の継続的使用も許可しない」としているとして「工作物の設置は、この取り決めにも反する」とただしました。
松本政務官は「資料が手元にない」などと答弁。赤嶺氏は「5・15メモの内容を基地提供者が知らないのは驚きだ。台風が来る前に撤去させよ」と重ねて求めました。(しんぶん赤旗 2011年5月21日)