細川律夫厚労相は4月13日の衆院厚生労働委員会で、水俣病被害者が救済法に基づく一時金210万円を受けたことを理由に生活保護を打ち切られる例が相次いでいる問題について、違和感を感じると表明しました。日本共産党の赤嶺政賢議員が打ち切りをやめるよう求めたのに対して答えたもの。今まで厚生労働省は一時金を収入認定から外すことはできないという硬直した態度をとっていました。
赤嶺氏は、一時金の収入認定で生活保護を廃止され、県に審査を請求した鹿児島県の男性から寄せられた訴えを読み上げました。
「医療費などがのしかかり、保護を受けているときより苦しい」。この訴えをどう思うか、赤嶺氏がただすと、細川厚労相は「(一時金をもらってさらに苦しくなることは)私も違和感を感じます」と述べ、「(赤嶺)議員がおっしゃった事情も踏まえ、県の検討状況をうかがいながら検討していきたい」と述べました。
赤嶺氏は、熊本県の蒲島郁夫知事が「一時金は、これまでの苦しみに対する補償の意味合いがあり、収入とするには違和感がある」との意見書を政府に出していると指摘。「補償金は長い間の精神的、肉体的苦しみへの国と企業の償いとして支給されたもの。保護を受けていることを理由にその償いさえ受けられないということは、保護受給者への差別ではないか」と述べ、一時金を収入認定せずに、生活保護が継続できるよう要求しました。(しんぶん赤旗 2011年4月15日)