「政府は沖縄の負担軽減を進めるというが、現実にはそれに逆行する事態が起こっている」―。2月3日、衆院予算委員会の基本的質疑に立った日本共産党 の赤嶺政賢議員は、沖縄県で進む軍備増強の実態を示し、名護市辺野古への新基地建設と南西地域への自衛隊増備計画の撤回を要求しました。
赤嶺氏は、中国漁船の衝突事件により日中両国間の外交問題にまで発展した尖閣諸島問題に関して、日中両国は2009年、「ともに努力して東シナ海 を平和・協力・友好の海とする」と合意している事実を提示。軍事的緊張でなく、「話し合いで平和的に解決する」立場にたつよう要求しました。菅直人首相 は、「平和、友好の海が維持されることは極めて重要」と答弁しました。
一方で、赤嶺氏は、沖縄の離島には米軍の射爆撃場が数多く存在し、尖閣諸島の久場、大正両島にも置かれていることを指摘。沖縄周辺海域には、本島 面積の4倍の広大な米軍訓練水域が置かれ、昨年12月の日米共同統合演習など、訓練区域外での軍事訓練が行われ、漁業者の安全と操業が脅かされている実態 も告発しました。
さらに、政府が昨年末に策定した新「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」が、陸上自衛隊・沿岸監視部隊の与那国島への配備、航空自衛隊那覇 基地の戦闘機部隊の増強、海上自衛隊・潜水艦の増隻などを打ち出したことを示し、「沖縄を米軍と自衛隊で軍事要塞(ようさい)化するものだ。沖縄は65年 間、基地に苦しんできた。白紙撤回しかない」と迫りました。
菅首相は、「わが国の防衛の観点で適切に努力することは平和に資することになる」と開き直りました。
赤嶺氏は、15世紀に沖縄の首里城にかけられたと伝えられる「万国津梁の鐘」を紹介。刻まれた隣国との協調をうたった銘文を読み、「国境の島に必要なのは軍隊ではない。憲法9条の精神だ」と主張しました。(しんぶん赤旗 2011年2月4日)