日本共産党の赤嶺政賢議員は5月28日、衆院安全保障委員会で、沖縄・米軍普天間基地問題で同日に発表された日米両政府の「共同発表」を取り上げ、「負担軽減にならず、新基地を押し付けるだけだ」「県民が求めてきた県内移設断念を真っ向から踏みにじって、頭越しに新基地を押し付けるもので断じて許されない」と厳しく批判しました。
政府は、名護市辺野古への米軍新基地建設の決定は、沖縄県の負担軽減とパッケージであると強調しています。沖縄の基地負担軽減策として自公政権の下で嘉手納基地所属の米軍機の訓練を移転してきましたが、現実は、米本土や国内の米軍基地から外来機が飛来し、負担は増大してきました。
これに対し赤嶺氏は「負担軽減のために外来機は沖縄で訓練をするなとアメリカと協議して、米側はそうすると言っているのか」と問いました。
北沢俊美防衛相は「外来機の問題はさまざまな軍事的な要素を秘めているから、そう簡単にやめさせるということにはならない」などと答弁しました。
赤嶺氏が「大量の外来機が頻繁に飛来して訓練を行うのは、広大な訓練区域、自由勝手に使える射爆撃場があるからだ。射爆撃場も返還されるのか」と畳みかけると、北沢防衛相は「答えられない」としました。
赤嶺氏は、外来機が飛来する原因である久米島や鳥島の射爆撃場の返還が「共同発表」に入っていないことを指摘。「県民に苦しみを与えている問題が合意に入っていない」と批判しました。
「共同発表」について赤嶺氏は、「県民ではなく日米合意を優先したもので、『対等な日米同盟』どころかアメリカ言いなりそのものだ」と抗議しました。(しんぶん赤旗 2010年5月29日)