「キャンプ・シュワブ、与勝、徳之島…。どの地域でも自治体ぐるみの強い反対と怒りの声が巻き起こり、『移設』先探しは完全に袋小路に陥っている」―。日本共産党の赤嶺政賢議員は4月22日の衆院本会議で、沖縄・米軍普天間基地の「移設」計画は「根本から間違っている」と主張し、無条件撤去を米国に求めるよう鳩山由紀夫首相に迫りました。
赤嶺氏は、1996年に日米両政府が普天間基地全面返還で合意したが、14年経た今も実現していないのは、「新たな基地建設が条件とされたからだ」と指摘。「あの狭い島に新基地を建設する場所はない。到底認められない」と強調しました。
赤嶺氏はさらに、沖縄の「兄弟島」=徳之島(鹿児島県)で、人口の6割にあたる1万5千人が結集し米軍基地反対集会(18日)が開かれたことは、「長寿、子宝、いやしの島に基地はいらないという明確な意思が示されたもの」だと力を込めました。
その上で、「首相は『普天間基地の代替施設なき返還』を求めた野党時代の言明を、政権についた今こそ実行に移すべきだ」と厳しく求めました。
鳩山首相は、沖縄県民、徳之島島民の民意は、「理解し勉強したい」と述べる一方、野党時代の発言については、「それは現実的に不可能」「抑止力は日本の安全保障にとっていまだ不可欠」などと反故(ほご)にしました。
「戦後65年間、沖縄県民は抑止力の名のもとに、人権を蹂躙(じゅうりん)されてきた」。赤嶺氏は、95年の米兵少女暴行事件被害者は「今も心の傷に苦しんでいる」「『軍の論理より民の尊厳を』『犠牲の上に立つ同盟はない』との沖縄の叫びを首相は認識すべきだ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2010年4月23日)