日常的に国民監視活動を行う自衛隊情報保全隊の増員を含む防衛省設置法・自衛隊法の「改正」案が4月9日、衆院安全保障委員会で採決され、日本共産党以外の賛成で可決しました。民主党政権は自公政権と同様、自衛隊による国民監視を当然視し、活動を強化する立場を鮮明にしました。
「改正」案は、昨年8月に陸海空3自衛隊ごとに分かれていた情報保全隊を統合し新編された自衛隊情報保全隊に新たに39人増員するもの。
日本共産党の赤嶺政賢議員は同委員会の質疑で、「情報保全隊は、自衛隊の活動に批判的な市民や団体、政党の活動を日常的に監視し記録している」として厳しく批判し、反対を表明しました。
赤嶺氏は、共産党の志位和夫委員長が2007年6月に、陸自情報保全隊の内部文書をもとに、自衛隊のイラク派兵や消費税増税に反対する活動などを含む国民のあらゆる運動・活動を対象に、写真撮影など監視・記録を日常的に行っていることを暴露した事実を示し、「情報保全隊を増員することは新政権としても国民監視活動を容認することか」と質問しました。(会議録はコチラ→)
榛葉賀津也・防衛副大臣は、「情報収集と研究を国防に生かすのは大変重要。(情報保全隊は)極めて有用な組織」「デモなど一定の写真撮影は法令に順守してやる場合もある。国民を監視するだけのためのものではない」などと答えました。
赤嶺氏は、「(野党時代の)民主党国会議員も監視されていた。国民監視を堂々と認めた答弁には驚く」「憲法21条が保障する、集会、結社、言論、出版など表現の自由、憲法13条が保障する個人のプライバシーを侵害する憲法違反の行為。こうした活動を新政権が容認していることは極めて重大だ」と批判しました。(しんぶん赤旗 2010年4月10日)