赤松広隆農水相は2月22日、衆院予算委員会で長崎県諌早干拓事業の見直しに向けて「省内に副大臣を長とする委員会を設けて、1~2カ月で結論を出すようにしたい」と表明しました。日本共産党の赤嶺政賢議員に対する答弁。(関連部分・会議録はコチラ→)
赤嶺氏は「『宝の海』といわれた有明が死の海と化している」と指摘し、干拓事業によって赤潮発生の頻度が増し、タイラギも激減、休漁がつづき、漁民の自殺も相次ぐなど、周辺の漁業に深刻な被害が発生していることを告発。
17日に国会内で行われた有明海沿岸漁民らの排水門開門を求める集会では、ノリ養殖業者が「3期連続で真冬に赤潮が発生している。通常1枚15円から20円で取引されるノリが、3・5円から3円で引き取ってもらうようになり、今では2円だ。1月で網を全部撤去した。来期はもうもたない」など窮状を訴えたことを紹介しました。
赤嶺氏は民主党が以前、諌早干拓事業の見直しを政策に掲げてきたこともふれ、「漁民は一刻の猶予もない状況だ。政権が代わった今、開門調査をただちに決断すべきという時期にきている」と政府に迫りました。
赤松農水相は「政権交代したとはいえ行政には継続性が必要」などと述べる一方で、「環境アセスメントをやって、何年もかけるのはいいのか」「時間稼ぎではなく、きちんとした方針が出せるように取り組みたい」と表明しました。
赤嶺氏は、「漁民の現状から見れば、開門調査に向かって進む以外の選択肢はない」「これまでの延長では『政権交代とはなんだったのか』ということになる」と強調しました。(しんぶん赤旗2010年2月23日)