日本共産党の赤嶺政賢議員は7月13日の衆院テロ特別委員会で、自衛隊の参加を可能にする貨物検査特措法案について、海上警備行動の拡大解釈で、自衛隊の公海上の船舶検査活動を可能にしている問題を追及しました。
赤嶺氏は、公海上の船舶検査には「旗国の同意」が必要であり、「おそらく北朝鮮から同意は得られない」と指摘。その場合は「どのような対応がとれるのか」とただしました。高田稔久内閣官房内閣審議官は「国連安保理の制裁委員会に通報する。他国へ向かうようならば、その国と情報を共有する」と答弁。また政府は、北朝鮮以外の船舶検査のために第三国から同意を得る協定を、現時点では締結する方針がないことも明らかにし、公海上の検査は限りなく想定されないことが明らかになりました。
一方、法案は、海上保安庁のみでは対応できない「特別の事情がある場合」に、自衛隊法第82条に基づく海上警備行動で自衛隊が出動するとしています。
赤嶺氏は、「海上警備行動は、『海上における人命・財産の保護、治安の維持のため特別の必要がある場合』というのが発動要件だ。公海上の船舶検査で、なぜ海上警備行動が発令できるのか」と質問。
防衛省の高見沢将林防衛政策局長は、「貨物検査のときに海上保安庁では対応できない事態は想定されにくいが、そういう事態には対応していく」と述べ、発令の根拠を示せませんでした。
赤嶺氏は、核実験等を行った北朝鮮を非難する安保理決議1874は、「国連憲章第41条のもとでの非軍事的制裁措置を要請している。自衛隊が一緒に出て行ける道がつくられることは、国際社会の協調を乱すものだ」と指摘し、法案の撤回・廃案を強く求めました。(2009年7月14日(火)「しんぶん赤旗」)