「与那国島は、中国や台湾との交流で栄えてきた歴史をもつ国境の島だ。緊張を高める自衛隊配備は行うべきではない」―日本共産党の赤嶺政賢議員は7月10日の衆院テロ特別委員会で、防衛省が沖縄県の与那国島に自衛隊配備を検討していることを取り上げ、こう批判しました。
6月30日、外間守吉与那国町長や崎原孫吉町議会議長らが防衛省に与那国島への自衛隊誘致を要請し、浜田靖一防衛相は8日に同島を視察しています。
赤嶺氏は、「与那国島では自衛隊駐留に反対の意見も強い。町議会議長の要請は、議会の手続きを経ない私的なものと議長本人が認めている。ずさんな要請を地元と防衛省ですすめるのは問題だ。反対する住民の意見も聞かず、頭越しにすすめるのか」と質問しました。
浜田防衛相は、「島嶼(とうしょ)防衛の観点から、検討を始めるためにうかがった。島内のみなさん方の意見も聞きながら進めていく」と答弁しました。
赤嶺氏は、外間町長が「日ごろ国防上の不安はない。自衛隊誘致の目的は経済的理由」と明言していることや、与那国島は台湾や中国語圏との観光振興など国際交流を基調とした町の振興が取り組まれていることを紹介。「自衛隊を配備すれば、国際交流も台無しだ。国境の島に必要なものは軍事ではなく平和外交だ。自衛隊の駐留は南西諸島には必要ない」と強調しました。(2009年7月12日(日)「しんぶん赤旗」)