米空軍嘉手納基地(沖縄県)の戦闘機部隊の訓練移転で基地強化がすすむ航空自衛隊新田原基地(宮崎県新富町)の仮滑走路の建設に伴って、新たに必要となる基地内の排水対策費用に十一億円かかることがわかりました。4月28日の衆院安全保障委員会で、日本共産党の赤嶺政賢議員に、防衛省の井上源三地方協力局長が答えました。
防衛省は、最大十二機の米軍機、兵員二百人が参加する大規模な移転訓練(タイプII)の実施にそなえて、人員・機材の輸送に必要な大型輸送機が着陸できるように現行滑走路のかさ上げ工事を行う計画です。
これに伴い、平行して二千七百メートルの仮滑走路を建設する方針ですが、撤去費用として二億円がかかることを理由に「(改修後も)滑走路を残置する」(長岡憲宗・防衛省経理装備局長)と説明してきました。これに対し、「事実上の滑走路二本化だ」との批判の声が上がっています。
赤嶺氏は「タイプII訓練を実施しても嘉手納では外来機による訓練を自由にやらせており、何の負担軽減にもならない。新田原では大型機の訓練が行われ、爆音被害が拡大する」と指摘し、訓練移転と滑走路の改修をやめるよう求めました。(2009年5月2日(土)「しんぶん赤旗」)