日本共産党の赤嶺政賢議員は4月23日の衆院「海賊対処」特別委員会で、麻生太郎首相に、「海賊対処を口実にした自衛隊のソマリア沖派遣を中止し、外交努力と民生支援で積極的役割を果たすべきだ」と求めました。
赤嶺氏は、昨年から各国が軍隊を派遣しているにもかかわらず、ソマリア沖で海賊事件が増加している実態を示し、「軍隊では問題は解決しない」と指摘しました。
また赤嶺氏は、内戦状態が続くソマリアで、外国漁船の違法操業、不法投棄に対し、ソマリアの漁民が自衛手段として高速船や武器を使って外国船を追い払ったという海賊が生まれた根本に目を向けるべきだと強調しました。
その上で、昨年八月にソマリア暫定連邦政府とソマリア再解放連盟の穏健派グループが武力行使の停止などで合意し、内戦終結と国民的和解への努力が続いていると紹介。ソマリア暫定政府のアハメド大統領が一億六千五百万ドルの国際援助があれば「海賊攻撃の四分の三は防止できる」と述べていることを挙げ、「現地の警察力向上などの支援こそ行うべきだ」とただしました。
中曽根弘文外相は「根本解決のために、ソマリア情勢を安定化させるのが非常に大事だ」と答えました。
赤嶺氏は「いったん自衛隊を出せば、海賊対策から新たな紛争に発展しかねない」と追及。「その可能性は限りなくゼロに近い」などと答弁した麻生首相に対し、赤嶺氏は、「アラビア半島のアルカイダ」という組織がソマリア沖の各国軍隊への攻撃を呼びかける声明を発表したことなどを挙げ、「可能性がゼロという(首相の)認識そのものを疑う」と批判しました。(2009年4月24日(金)「しんぶん赤旗」)