日本共産党の赤嶺政賢議員は4月9日の衆院安全保障委員会で、名護市辺野古への新基地建設に伴う環境影響評価準備書について質問し、防衛省の「基地建設ありき」の姿勢を追及しました。
防衛省が一日、沖縄県などに提出した準備書には、方法書に記載されていなかったヘリパッド(離着陸帯)四カ所や係船機能付きの護岸、汚水処理浄化槽、給油エリアが初めて示されました。
赤嶺氏は「環境アセスとは、事業者が広く国民に公開し、意見を求め、環境への影響を少なくしようとするものだ」と述べ、「なぜ方法書に示さなかったのか」と追及しました。
防衛省の井上源三地方協力局長は「方法書は、事業者がその時点で考えている建設計画をもとに作成するもの」「ヘリパッドの位置等について日米間で共通の認識に立ったため示した」と答弁しました。
赤嶺氏が、係船機能付き護岸について「軍港とどこが違うのか」「米側と(準備書に記載されたヘリ故障用の)船舶(T―AVB4)に限定すると合意しているのか」とただしたのに対し、井上局長は「限定されていない」と答弁しました。
赤嶺氏は「(計画の)全体がはっきりしないうちに環境アセス手続きに入ったということではないか」と指摘。米軍が二〇一二年からの普天間基地配備を計画する垂直離着陸機オスプレイについて、準備書に記載されていないこともあげ、「環境に影響がないことを証明する行政文書としては失格だ」と批判し、アセス手続きのやり直しを求めました。(2009年4月10日(金)「しんぶん赤旗」)