日本共産党の赤嶺政賢議員は3月17日の衆院安全保障委員会で、「海賊対策」を名目に海上自衛隊艦船がアフリカ東部・ソマリア沖アデン湾に出発したことに抗議し、「ソマリア内戦という『陸』の問題が解決しない限り、海賊という『海』の問題は解決しない。ソマリア和平と民生支援で積極的な役割を果たすべきだ」と訴えました。
赤嶺氏は、一九九一年から続くソマリア内戦の背景に、アメリカが内戦やエチオピアの軍事侵攻を支援してきたことを指摘。二〇〇七年一月から国際テロ組織のメンバーがいるとしてソマリアへ空爆を行って多数の民間人犠牲者を出している米軍に、インド洋で給油する自衛隊の行動は、和平に逆行すると批判しました。
外務省中東アフリカ局の秋元義孝・アフリカ審議官は、「(空爆の)是非を判断する立場にない」と述べ、浜田靖一防衛相は「米軍の活動については確認できない」と答弁しました。
赤嶺氏は、米国防総省のモレル報道官が「世界中の海軍の艦艇をすべてソマリア沖に集めても問題は解決しない」と発言していることを紹介し、「(ソマリア内戦の)根本的な解決こそ、憲法九条を持つ日本の外交が取り組むべきことだ」と強調。橋本聖子外務副大臣は、「(ソマリア)国内の情勢の安定というものは何よりも不可欠だ」と答えました。(2009年3月18日(水)「しんぶん赤旗」)