うちまんちゅ大集会
翁長樹子(みきこ)さんのスピーチ
泣かずにしゃべれる自信がありません。翁長雄志の家内の樹子でございます。
本当にたくさんの方に支えていただいて必死に頑張ったんですけど、8月8日に急逝いたしまして、ひと月半になります。
正直、翁長が亡くなって、頭の中では理解しているつもりなのに、心がなかなか追いつきません。洗濯物を畳んでいるだとか、ご飯を出しているときに突然、「あっそうだパパ」って顔をあげちゃうんですよね。そしたら遺影の翁長がいつも笑っているの。「ばかだなあ君は」って言って。
翁長が恋しいです。あの笑顔がもう一度見たい。あの笑い声がもう一度聞きたい。でもかなわないから。
この選挙は正直言って翁長がいつも言ってたように、みんな同じウチナーンチュだから、みんな一生懸命考えてみんなが出した結論はもうそういうことなんだということで、私は今回、本当は静かに皆さん県民の一人ひとりの方が出す結論を待とうと思ってました。ところが、日本政府の方のなさることがあまりにもひどいから。たった140万の、1%しかいない沖縄県民に、オールジャパンと称して政府の権力を全て行使して、私たち沖縄県民を、まるで愚弄するように押しつぶそうとする。民意を押しつぶそうとする。なんなんですか、これは。
こんなふうに出てくるというのは正直、とても躊躇がありました。でももう、何だか翁長が、「もうしょうがないな、もうみんなで頑張らないといけないから君も一緒になって頑張っておいで」と言ってくれたような気がして、今日はこの場に立っております。
この沖縄は翁長が心の底から愛して、140万県民を本当に命がけで守ろうとした沖縄です。県民の心に1ミリも寄り添おうとしない、なさらない。相手の方に悪いけど、申し訳ないけど、私は譲りたくはありません。
今デニーさんの話を聞いて、よかった、うちの人の心をデニーさんが継いでくれるんだと思ったら、涙がとまりません。
残り1週間です。簡単には勝てない。それでも簡単には負けない。翁長が信じていた、私たちウチナーンチュの心の中をすべてさらけ出してでも、マグマを噴き出させてでも、必ず勝利を勝ち取りましょうね、みなさん。(拍手)頑張りましょうね、ぬちかじり、ぬちかじりですよ。頑張りましょうね。よろしくお願いします。
(2018年9月22日、「うまんちゅ大集会」の訴えから)
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――