日本で相次ぐ米兵による性暴力事件を受け、米国防総省が在日米軍の調査を開始したとされていることについて、防衛、外務両省の担当者は9月9日、「報道で知った」と明らかにしました。国会内での日本共産党の赤嶺政賢衆院議員と、米兵による性犯罪の被害者キャサリン・ジェーン・フィッシャーさんによる聞き取りに回答しました。
赤嶺氏は、調査について米側に問い合わせしたのかと質問。防衛省の担当者は「詳細はお答えできない」と回答を拒否しました。赤嶺氏は「日本政府も(性暴力事件の)再発防止への責任を持っている」と述べ、調査の詳細を国民に説明するべきだと迫りました。
ジェーンさんは「『性犯罪は許されない』と言うなら(日米が)協力しないといけない。被害者を助けないといけない」と訴え、国防総省による調査にあたり、被害者の声を聞き、米側と連携するよう求めました。
両省の担当者は「再発防止に向けて引き続き日米間で協力し取り組んでいく」と繰り返しましたが、被害者の声を聞くべきだとの意見を米側に伝えるかとの赤嶺氏の質問には答えませんでした。
米ブルームバーグ通信は4日、国防総省の監察当局が2日付の調査開始通知書で「日本国民に対して暴力犯罪を行った兵士の職務遂行状況、訓練内容、犯罪歴などを調査する」と表明したと報じていました。
23年12月に沖縄で発生した少女暴行事件など米兵による性犯罪を日本政府が隠蔽(いんぺい)していたことが24年に発覚し、少女暴行事件に抗議する県民大会(24年12月)が開かれたあとも米兵の性犯罪は相次ぎ、今年3月には在沖縄米軍基地内で女性従業員がトイレ内で米海兵隊員から性的暴行を受けた事件が発生しています。赤嶺氏は両省に対し「毅然(きぜん)として米軍に立ち向かうべきだ」と求めました。(しんぶん赤旗 2025年9月12日)