沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力から支援を受け、参院沖縄選挙区(改選数1)に立候補する意向を示していた前沖縄大学教授のタカラさちか氏(46)=無所属・新=が5月10日、那覇市内で会見し、正式に出馬表明を行いました。
タカラ氏は冒頭、西田昌司自民党参院議員の「ひめゆりの塔」に関する発言などに言及し、戦争体験者や遺族、県民を深く傷つけたと糾弾。「うちなーんちゅの歴史を切り捨て、歪曲(わいきょく)しようとするもので決して許されない。満身の怒りで抗議する」と述べました。
タカラ氏は、高校時代に起きた米兵による少女暴行事件をきっかけに、「人間の尊厳を脅かす暴力に抵抗し、憲法の精神の実現を目指そうと決意した」と強調。大学で研究者としての道を歩み、軍備増強を押しつけられる現地の声を伝える取り組みを進める中、昨年またしても少女暴行事件が発覚したのを受け、「軍事性暴力に脅かされる沖縄の状況を政治の場で変えるために力を尽くさねばならないと立候補を決意した」と語りました。
同選挙区には、自民党が奥間亮前那覇市議を公認するなど4氏が出馬を表明していますが、タカラ、奥間両氏による事実上の一騎打ちとなる見通しです。
同日、タカラ氏の選挙母体「『生きる』を政治に! 県民の会」が結成。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員ら県関係国会議員5氏が共同代表に就任しました。
タカラさちか氏を後継として議席の継承をめざす高良鉄美参院議員、糸数慶子元参院議員があいさつし、玉城デニー知事のメッセージも紹介されました。(しんぶん赤旗 2025年5月11日)