米兵による事件事故が相次ぎ、裁判所から損害賠償を命じられた米兵が帰国し、賠償に応じない事態が起きた問題を受け、2002年に米兵からレイプ被害を受けたキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは5月8日、加害者の逃亡を防ぐ法改正や日米地位協定の改定などを政府に要請しました。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員が同席しました。
米海軍横須賀基地(神奈川県横須賀市)所属の米兵が22年に同県逗子市で男女4人に重軽傷を負わせた事件で、横浜地裁は今年4月に計約1600万円の支払いを命じました。しかし、米兵は帰国し、賠償や謝罪に応じていません。
フィッシャーさんは要請書で、自身をレイプした米兵も裁判中に逃亡し、謝罪や賠償をしていないと指摘。「米軍関係者などの容疑者が国を離れることを許す法的な抜け穴が存在している」として、日米地位協定を改定し、「暴力を根絶すべきだ」と訴えました。
米兵による性暴力被害の賠償について、防衛省の担当者は「まず当事者間の示談での解決が求められる」と表明。赤嶺氏が「レイプ被害者が加害者と話し合えるのか」とただすと、同省担当者は「直接難しいのは確かにあると思う。そうなら防衛局で話を聞き米側とかけ合う」と述べました。フィッシャーさんは「日本政府がやるべきで、補償に関する明確な情報提供も必要だ」と強調しました。(しんぶん赤旗 2025年5月9日)