活動報告

「自衛隊に自浄作用ない」 申告するも虚偽報告で強制終了 ハラスメント被害者ら 集会で告発

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「自衛官の人権弁護団・全国ネットワーク」は3月27日、国会内で「事件から見る自衛隊の現状」と題する集会を開催し、ハラスメントが繰り返される組織の実態を報告しました。

 

 集会に先立ち、航空自衛隊那覇基地でのセクハラ被害に対し組織が不利益防止措置などをとらなかったとして国賠訴訟を起こしている現役女性自衛官の裁判について報告がありました。高圧的口調で性的な言葉を繰り返し投げつけられたことによる深刻な心的外傷後ストレス障害(PTSD)などと診断されたと説明。「このセクハラがなければもっと楽しいことが人生にあったのだろうと思うことが多くなった」と、涙をこらえながら話しました。

 

 集会では自衛隊のハラスメント被害の当事者が自衛隊の実態について報告しました。元自衛官の五ノ井里奈さんが隊内で受けた性暴力を告発し高まった批判を受け、防衛省は特別防衛監察でハラスメント調査を実施しましたが、申告者は全隊員のわずか0・6%にとどまったまま防衛省は調査を終了しました。

 

 同ネットワークが監察への申告者などを対象に独自調査を実施したところ、申告したが、加害者への処分が行われたとの回答はわずか4%で、申告したことで退職を強要されたなどの不利益な取り扱いを受けたとの回答は57%に上るなど、自衛隊の隠蔽(いんぺい)体質が明らかになっています。

 

 不当な配置転換やパワハラを受けたとして21日に国に慰謝料700万円などの損害賠償を求めて東京地裁に提訴した防衛省情報本部に所属する航空自衛隊3等空佐の男性(40代)は、監察に申告したが調査をしたと虚偽の報告を受け、案件を強制終了させられたと報告し「自衛隊では自浄作用が機能していない」と力を込めました。

 

 集会には、日本共産党から赤嶺政賢衆院議員と山添拓参院議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2025年3月29日)

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