衆院沖縄１区（那覇市、沖縄県島尻郡に属する南部離島７町村）で、玉城デニー知事を国政から支える「オール沖縄」の代表として、あかみね政賢予定候補（日本共産党前衆院議員）は、４度目の小選挙区での勝利へかつてない大激戦に挑みます。名護市辺野古の米軍新基地建設や沖縄の戦場化を想定した軍事要塞（ようさい）化を進め、県民多数の願いを踏みにじる自公政権に対し、県民のたたかいと団結して沖縄の民意を突きつけられるのは、あかみね予定候補以外ありません。
保守や革新の立場を超えて辺野古新基地建設に反対するオール沖縄の枠組みが誕生した２０１４年。その年末にオール沖縄と、新基地建設容認・推進勢力の自民党などによる対決構図で争われて以来、過去３回の衆院選は同じ顔ぶれで争われてきました。
自民前職の国場幸之助氏（公明推薦。３回とも、あかみね氏に敗れ比例復活）、無所属・元職の下地幹郎氏（汚職疑惑で維新を除名され、前回比例復活できず落選）との“三つどもえ”でした。しかし今回、その構図が一変。３人のほかに、れいわ新選組と参政党の両新人も加わって５人が争う見通しです。
基地めぐる四つの問題点
論戦の大きな方向性は、１０月６日に那覇市で開かれたオール沖縄必勝街頭演説会での日本共産党の志位和夫議長の演説で固まったといえます。
志位氏は、沖縄の基地をめぐる四つの問題点を提起。選挙の意義をそれぞれ次のように説きました。
(1)強権をふるい辺野古反対の公約を撤回させた石破首相と、その圧力に屈し県民の誇りを傷つけた国場氏ら自民党国会議員に、あかみね氏の勝利で改めて怒りの審判を下す―。
(2)あかみね氏が勝利してこそ、工期が政府のいう１０倍、１２０年を要する恐れもあり、展望がない辺野古新基地建設は中止させ、普天間基地の即時閉鎖・撤去の県民の揺るがぬ意思を示すことができる―。
(3)「公の催事」での米兵の飲酒運転は「公務」であって日本側が裁けないとする日米密約を追及し、両政府に「公務として扱わない」と改めさせた、あかみね氏の議席こそ、米軍犯罪根絶と日米地位協定改定の最大の力になる―。
(4)沖縄の戦場化を想定し、先島諸島の住民に避難を強いる「軍事要塞化」を止め、戦争を絶対に起こさないための外交こそ必要だと政府に迫る、あかみね氏の勝利を―。
党派超え評価 団結一層
一方、従来の選挙構図を大きく変える要因となったのは、れいわ新選組が８日に沖縄１区で新人を擁立すると発表し、オール沖縄を分断する動きに出たからです。
同日、日本共産党の小池晃書記局長は国会内で会見し、れいわ擁立はあかみね氏の再選への敵対行為であるのみならず、新基地建設反対で団結してきたオール沖縄の取り組みへの破壊行為だとして厳しく非難しました。
あかみね氏の１区の議席は、国政からデニー知事を支えるオール沖縄の「宝の議席」として、党派を超えた多くの県民から評価されてきました。それだけにＸ（旧ツイッター）などでは、沖縄県民にとって大切な議員に対抗候補をぶつけようとすることへの批判が相次ぎポストされています。落語家の立川談四楼さんは９日、「沖縄１区の候補者だけは一刻も早く降ろすべきだ。そこは国会の至宝、赤嶺政賢さんの牙城だからだ」と投稿しました。
県民に寄り添う信頼の人
あかみね氏は、衆院解散を受けての帰沖から一夜明けた１０日、県庁前で街頭演説し、県民の民意を国会に届ける議員を選ぶかどうかが総選挙で大きく問われる争点だと力説しました。
石破首相の沖縄に対する仕打ちと、それに屈服した自民党国会議員にふれるとともに、基地あるがゆえに押し付けられている県民の苦しみよりも、沖縄の米軍基地を優先するのが自民党政治だと強調。「県民の主張を突き付ける政治家が沖縄から国会へ出て行くことが何よりも大事です」と呼びかけました。その上で「県民が団結すれば、日米両政府の基地押し付け政策も転換させることができる」と述べ、県民のたたかいと連帯しながら国会に民意を届ける議席を必ず、と決意表明しました。
演説を聞いた那覇市在住の女性（７３）は、「沖縄はもう戦後ずっと民意をないがしろにされてきた」と切実に語りました。石破首相が幹事長時代、沖縄選出の自民党国会議員に辺野古反対の公約を撤回させた「平成の琉球処分」について忘れもしないと憤り、「自民党政治ではだめ。もう政権交代しかない」と強調します。毎週辺野古に通い、新基地建設反対の抗議行動に加わっているという女性は、国会論戦で沖縄の民意を突き付け、辺野古にも足を運び続けてきた、あかみね氏に信頼を寄せ、若い人にもオール沖縄への支持を広げて何としても勝利をと、意気込みを語りました。（しんぶん赤旗 ２０２４年１０月１１日）