活動報告

赤嶺党県委員長・衆院議員に聞く 県議選の様相/共産党7議席を守り「オール沖縄」勝利へ 国の「代執行」に審判を

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日本共産党が7候補の全員勝利に挑む沖縄県議選(6月7日告示、16日投票)が大激戦の様相です。定数48に対して68人が立候補を予定し、各候補が激しくせり合っています。辺野古新基地ノーの民意をあらためて示し、玉城デニー県政を支え、平和で豊かな沖縄を実現する県議選の意義について、党沖縄県委員長の赤嶺政賢衆院議員に聞きました。

 

 

 今回の選挙でまず問われるのは、名護市辺野古の米軍新基地建設を巡る岸田自公政権の「代執行」強行を認めるか、断固ノーの審判を突き付けるかです。

 

団結が政治変える

 

 国は昨年末、大浦湾側に広がる軟弱地盤の改良工事を強行するため、デニー知事の権限を奪い、設計変更の承認を「代執行」する暴挙に出ました。知事が公有水面埋立法に基づいて不承認にし、不当な最高裁判決にも屈せず反対を貫いてきたものです。国の強権的なやり方に県内はもちろん、全国でも疑問や反対の声が上がりましたが、政府は今年1月、工事を強行しました。

 

 県民は、これまで県民投票や三度の県知事選挙などで新基地建設反対の意思を示し続けてきました。今月14日には、大浦湾に面した瀬嵩(せだけ)の浜で、「代執行」を司法が全面的に追認したことに抗議する県民大集会が1800人規模で開かれました。国の強権発動に絶対に屈しないという県民の意思を示す選挙です。

 

 

 住民の運動と保革を超えた島ぐるみのたたかいが、うるま市石川への陸上自衛隊訓練場新設計画を白紙撤回・断念に追い込みました。

 

 反対運動を繰り広げた「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」の伊波常洋共同代表(元自民党県議)は、「住民が団結すれば強い力を発揮できるとつくづく思った」と話しています。

 

 今回の訓練場反対のたたかいは、県民が団結すれば政府を動かし、勝利することができる、日本の政治は必ず変えられるという勇気を与えてくれました。今度は新基地建設阻止を実現する番です。

 

 伊波さんは、訓練場反対の市民集会で、「オール沖縄」の故・翁長雄志知事が新基地建設反対に立ち上がったように、保革を超えて団結する意義を強調していました。平和で誇りある豊かな沖縄をめざし、保革を超えた県民の「団結の力」を体現してきたのが「オール沖縄」の取り組みです。

 

デニー県政いじめ

 

 しかし、自公政権はこの間、新基地建設反対の圧倒的民意に背を向け、「オール沖縄」の切り崩しを図ってきました。新基地建設と沖縄振興をリンクさせ、県民生活に欠かせない振興予算を減額し、県民を分断してきました。

 

 とりわけ沖縄振興一括交付金は、2014年度をピークに約1000億円削減され、そのうちの沖縄振興公共投資交付金(ハード交付金)は、564億円も減額されました。自公維などは、水道料金改定や公共工事の遅れの責任をデニー県政になすりつける“沖縄いじめ”“デニー県政いじめ”を行っていますが、国の予算減額が原因で起こっていることです。こんな卑劣なやり方を絶対に許してはなりません。

 

新基地建設は破綻 

 

 政府は口を開けば「辺野古が唯一の解決策」と繰り返しますが、辺野古に固執すればするほど、普天間基地の返還は遅れ、固定化してきたのが実態です。1996年の返還合意から28年、普天間は1ミリも動いていません。

 

 政府は、新基地の完成までにあと12年かかると説明していますが、水深の浅い辺野古側の埋め立て工事ですら、当初予定の10倍の5年を要しています。大浦湾側の地盤改良は前例のない難工事で、計画通り進む保障はどこにもありません。これまでのペースなら、完成まで120年です。

 

 基地のたらい回しでは沖縄の基地問題は絶対に解決しません。県民が大同団結し、島ぐるみのたたかいを発展させ、普天間基地の閉鎖撤去、辺野古新基地阻止を日米両政府に突き付けるときです。

 

 岸田政権が強行した安保3文書に基づく沖縄の軍事体制強化も重要な争点です。

 

 政府は台湾有事を想定して、敵基地攻撃のための長射程ミサイルや自衛隊施設の強靱(きょうじん)化、空港・港湾の軍事利用の拡大を進めています。沖縄に戦火を呼び込む軍事要塞(ようさい)化を絶対に許してはなりません。

 

 デニー県政は、地域の緊張緩和と信頼醸成のため、地域外交を推進しています。沖縄を二度と戦場にしない。戦争の準備ではなく、平和の準備を。県民の意思を示すときです。

 

 県議選で「オール沖縄」勢力が過半数を確保することが、政府の基地押し付けをはね返し、デニー県政を前進させるために不可欠です。とりわけ重要なのが日本共産党の現有7議席確保です。現在、与野党の力関係は議長を除いて24対23で、党の議席は一つも落とすことはできません。

 

 日本共産党は、日米安保条約の廃棄を綱領で掲げ、不屈にたたかい抜いてきた歴史を持っています。政府がどんな分断策や攻撃を仕掛けて来ようともはね返す力を持っています。党県議団7人がいることが、「オール沖縄」の団結を守り、さらなる発展につながります。

 

 自公政権の“デニー県政いじめ”のもとでも、党県議団は道理ある提案で、通院医療費の中学卒業までの窓口無料化、子どもの貧困対策や高齢者困窮対策の拡充など、県民のくらしを守るさまざまな施策をデニー知事と一緒に実現してきました。これらは7議席あればこそのものです。

 

 基地のない平和な沖縄、希望ある日本の政治を切り開くため、絶対に負けるわけにはいかない選挙です。「オール沖縄」の過半数確保と日本共産党の7人全員勝利のため、全力をつくす決意です。(しんぶん赤旗 2024年4月29日)

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