同性同士の結婚を認めない民法などの規定は憲法違反だとして、同性カップルらが国を訴えた裁判で、札幌高裁と東京地裁が今月、それぞれ「違憲」「違憲状態」と判断したことをうけ、当事者団体は3月22日、国会内で集会を開きました。パートナーと婚姻できるよう、速やかな法制化を求めました。主催は、すべての人に結婚の平等を求める「マリッジ・フォー・オール・ジャパン―結婚の自由をすべての人に」です。
同団体理事の松中権さんは、札幌高裁判決の付言で、「同性間の婚姻を定めることは、国民に意見や評価の統一を求めることを意味しない」と述べている点にふれ、「多くの当事者や仲間が勇気づけられた」と強調。「法制化に向けた機運は高まっている。今こそ国会が動くべきだ」と訴えました。
慶応義塾大学の駒村圭吾教授(憲法学)は、各地裁、高裁判決について、当事者が深刻な社会的不利益を被っていることに触れている点では一致しており、「国会は速やかな法制化をすべきだ」と話しました。
北海道訴訟の原告・中谷衣里さんは、「司法は私たちに寄りそった判断を示してくれた。どうか国会の力を貸してほしい」と訴えました。
与野党の国会議員が参加。日本共産党から田村智子委員長、赤嶺政賢、本村伸子、宮本岳志、宮本徹各衆院議員、倉林明子、吉良よし子、山添拓各参院議員が参加しました。
田村氏は、「札幌高裁の違憲判断が明確だ。立法府と政府がどうすべきかが問われている。同性婚の実現へ古い家父長制に根ざした家族のあり方を押しつける妨害者を政治の舞台から退場させよう」とあいさつしました。(しんぶん赤旗 2024年3月23日)