宇宙の軍事利用が拡大しています。日本共産党の赤嶺政賢衆院議員の調べで、自衛隊の宇宙領域専門部隊の隊員数は、2020年度の約20人から24年度には310人に増員されることが2月13日までにわかりました。27年度までの「航空宇宙自衛隊」への衣替えに向けた体制強化が進んでいます。
防衛省は20年5月、自衛隊で初めての宇宙領域の専門部隊として、「宇宙作戦隊」(航空自衛隊府中基地・東京)を約20人で発足させました。
22年には、同隊と指揮統制を担う宇宙作戦指揮所運用隊を束ねる「宇宙作戦群」を新設。同群は23年3月以降、米軍と連携し、人工衛星や宇宙ごみの動きを監視する「宇宙状況把握」(SSA)を開始しています。
岸田文雄政権は22年12月に決定した「安保3文書」で「航空自衛隊を航空宇宙自衛隊とする」ことを明記。1954年創設の陸海空3自衛隊で名前が変わるのは初となります。
宇宙領域部隊の発足当初から、米側は大歓迎。米宇宙軍は、「重要な宇宙資産を共同で守るために、すでに強力なパートナーシップをさらに強化することを楽しみにしている」とSNSに投稿しました。
宇宙作戦隊は、米軍が主催する教育システムや演習への参加を通じて、部隊としての能力を引き上げてきました。自衛隊のSSAは、米軍の地球規模の宇宙監視網の一翼を担うものです。
日米両政府は2023年1月の外交・軍事担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)で、宇宙空間での攻撃が日米安全保障条約第5条の適用対象になりうるとの認識を確認しました。宇宙領域を「第四の戦場」に位置づける米国の戦略に自衛隊を動員する動きが進んでいます。(しんぶん赤旗 2024年2月14日)