沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設の埋め立てに沖縄戦犠牲者の遺骨が眠る本島南部の土砂が使われようとしている問題で、遺族と沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の人たちが1月18日、衆院第2議員会館で政府と意見交換をし、計画の中止を求めました。遺骨土砂を基地建設に使うことに反対する署名は新たに3322人分集まり、政府に提出しました。
ガマフヤーの具志堅隆松さんは、「遺族の高齢化は進んでいる。早く遺骨を家族のもとへかえしてほしい。基地建設のために遺骨の入った土砂を使うのは許されない。南部の土砂を埋め立てに使わないで」と訴え。防衛省は「慎重に考える」と述べるにとどめました。
厚生労働省との意見交換では、「戦没者の遺骨収集の推進に関する法律」(2016年4月施行)の集中実施期間の終了まで残り2年となることをふまえ、期間の延長や遺骨のDNA鑑定の早急な実施などを求めました。
参加した遺族からは「政府が遺骨収集を積極的に進めているという姿勢が感じられない」「軍事費を倍増させたら、また同じような思いをする人たちが出てしまう」といった声があがりました。
日本の植民地支配で、朝鮮半島から沖縄戦に動員された結果亡くなった韓国の遺族も参加。「遺骨が靖国神社に合祀(ごうし)されている。日本政府は遺骨を遺族に返す責任がある」と訴えました。
意見交換会には日本共産党、立憲民主党、社民党、参院会派「沖縄の風」の国会議員も出席。日本共産党からは赤嶺政賢衆院議員が参加しました。(しんぶん赤旗 2023年1月19日)