大激戦の沖縄県知事選(25日告示、9月11日投票)での「オール沖縄」の玉城デニー知事の再選と統一地方選での日本共産党の全員勝利を勝ち取ろうと8月7日、名護、沖縄、那覇各市で党街頭演説が行われました。小池晃書記局長が「オール沖縄」各弁士や党候補とともに、「デニー県政を守りぬき、宜野湾市長選と統一地方選(知事選と同日投票)、その後の豊見城、那覇市長選でも勝利して米軍辺野古新基地を完全に断念させよう」と訴えました。デニー知事がメッセージを寄せました。
小池氏は冒頭、台湾周辺での中国軍の演習でミサイルが沖縄の与那国、波照間島付近の排他的経済水域(EEZ)に落下したことをめぐり、「軍事的挑発・威嚇は断じて許されない」と批判。「台湾問題は平和的に解決されるべきです。日米が軍事で対応すれば沖縄が真っ先に戦場になる」と指摘しました。
県知事選をめぐり、小池氏は三つの争点を提起。何より重要なのは辺野古新基地を許さないということです。デニー知事が軟弱地盤に伴う辺野古埋め立ての設計変更申請を不承認にするなど、権限をフルに活用して公約を貫いてきたことを紹介。自民党擁立の佐喜真淳氏が「容認」を明言し、元衆院議員の下地幹郎氏も辺野古の「活用」を公約する中「県民投票で示された新基地反対の圧倒的な民意を託せるのはデニーさんだけだ」と力をこめました。
第2の争点が経済とくらしです。小池氏は、「誰一人取り残さない」デニー県政による子どもの貧困対策で、就学援助の援助率が5人に1人から4人に1人に上昇するなど、4年前の公約のうち98・6%を実現しつつあると指摘。「県政不況」だと攻撃する自民党に対し、「翁長県政以来、根拠もなく沖縄振興予算をへらしてきたのが自公政権だ。天につばするものだ」と厳しく批判しました。
第3の争点が「沖縄を二度と戦場(いくさば)にしない」ことです。小池氏は「軍事で平和も住民の命も守れない。これが沖縄戦の痛苦の教訓だ」と指摘。岸田政権や維新が進める敵基地攻撃・大軍拡・9条改悪ではなく、デニー県政が「建議書」で示した徹底的な平和的外交で緊張緩和を図ること以外に県民の命と安全を守る道はないと訴えました。
旧統一協会と沖縄の自民党のつながりも焦点です。佐喜真氏は4年前の知事選でも支援を受けていました。なぜ自民を支援するのか。小池氏は「旧統一協会の関連団体は『辺野古が唯一』という立場だからだ」と指摘。「佐喜真氏は旧統一協会との関係をすべて明らかにすべきだ」と求めました。
小池氏は、日本共産党は一貫して辺野古新基地に反対した党であり、日米安保条約廃棄を綱領に掲げている党だと紹介。安保廃棄が基地問題解決の切り札であり、「沖縄と日本の未来を切り開く決定的な意味を持つ日が必ず来る」と力説しました。そして、保守と革新を超えた「オール沖縄」の団結の要として共産党が果たしてきた役割を強調。デニー知事から「共産党の草の根の力」への期待が寄せられたことを紹介し、「党創立から100年間、自由と平和を貫いてきた共産党が伸びてこそ誇りある沖縄の未来をひらくことができる」と訴えました。
参院選で大接戦を制した伊波洋一議員、宜野湾市長選のナカニシ春雅候補、池田竹州副知事、山川仁豊見城市長、稲嶺進元名護市長も訴えました。(しんぶん赤旗 2022年8月9日)